相模原市立相模原球場
(相模原市中央区、場所はこちら

球場データ
開場年 1986年
所在地 相模原市中央区弥栄
収容人員 16064人
両翼 95メートル
中堅 120メートル
照明塔 6基
グラウンド 内野:土、外野:天然芝


(写真1:JR横浜線・淵野辺駅)

 2019年9月14日。

 大学時代の友人たちと久々に会うことになり、東京にやってきました。といっても、やっぱり「球場寅さん」の血はフツフツと…というわけで、この日はこの球場に行こうなどと、大まかにスケジュールを立てていたわけで。なんせ、プライベートで東京に行く機会はあまりないために、かつて暮らしていたアパートや大学周辺、都内で良く行っていたなじみのある場所などなど…あちこち巡ってみたいですからね。

 というわけで、東京駅に降り立った私は、学生時代に良く通っていたラーメン屋へ食べに行き、おなかを満たします。やはり「腹が減っては戦はできぬ」ですから。久々に味わったラーメンは、自分自身が年を取ったからなのか、当時よりもこってりしている印象を受けました。しっかりとエネルギーをチャージした私は、今回の目的地「相模原球場」へ向かいます。

 まず新宿まで行き、小田急線に乗り換えて町田へ向かい、そこからさらにJR横浜線に乗り換えて、淵野辺駅へ。今まで何度となく東京に来ては、足を運んでみたい球場だったのですが、都内から中途半端に遠いこの球場…なかなか足が向かなかったんです。でも、どこかに心残りもあったりして、このモヤモヤを晴らしたいと思い、意を決して、相模原球場を行脚してみようということになりました。


(写真2:相模原球場正面玄関)
 淵野辺駅を降りた私は、スマホを頼りに現地へと向かいました。道中、「JAXA宇宙科学研究所」という物々しい大きな施設が…。何ともグローバルな雰囲気が漂ってきます。そんな道を抜けると、大きな森というか、緑地帯というか。地図を見ると、道なりにぐるっと迂回して、球場にたどり着くという感じだったのですが、その緑地帯には駐車場のゲートが開いており、何やら球場の方向へ向かい人々の流れがありました。その流れについていくと、今回目指す球場にたどり着いたのです。これはラッキーでした。

 ショートカット出来たおかげで、所要時間は10分ほど短縮できたのではないでしょうか。それでも30分近く歩いたような感じでしたが…。

 でも、目の前には、やっとたどり着くことが出来た相模原球場。2019年現在、地元の不動産業者である「サーティーフォー」が命名権を所有しているため、「サーティーフォー相模原球場」となっています。そして正面玄関にはちらほら人影があり、スタジアムに入っていく人の姿も。何よりも、球場から打球音が聞こえてきました。


(写真3:内野スタンド)
 スタジアムの中に入ってみると、この日は神奈川県の高校野球の秋季大会が行われていました。そのため、スタンドにも多くのギャラリーがいました。やっぱり、スタンドからグラウンドを眺める光景というものは良いものです。この日は雨は降っていなかったのですが、雲の多い、あまりパッとしない空模様ではありましたが、屋外の球場は開放的で良いですね。そこで高校生がはつらつとプレーする様子を見るのも、なお良しです。

 この相模原球場ですが、かつてはプロ野球の1軍の公式戦も行われていました。場所が神奈川県ということもあり、当時の横浜ベイスターズが主催試合を行うこともしばしばあり、カープも日程に組まれたこともありました。ただ…どうもこの球場でプロ野球の公式戦をしようとすると、雨が降りやすいというジンクスがあるようで。それもあってか、2009年を最後にプロ野球の試合は行われていません。ただ、照明塔もあるように、プロ野球のナイターが開催できるほどのキャパシティーを備えていた球場でもあります。ちなみに、1992年から5年ほど、日本ハムの2軍本拠地だった時代もありました。それだけ、重要な球場でもあったのです。
 
(写真4・5:外野方向)
 そんな相模原球場は現在では、高校野球の県予選大会や、東都大学リーグや首都大学リーグ、地元の神奈川大学リーグといった大学野球の開催球場ともなっています。東京西部、横浜からも比較的アクセスが良いということもあり、幅広く使用されているという感じです。

 写真3は内野グラウンドを、写真4、5は外野方向を撮影したものです。内野はクレー舗装、外野は天然芝となっています。またグラウンドの両翼は95m、センターは120mとなっており、現代のプロ野球の球場としては、非常に狭い部類に入ります。これも近年はプロ野球が開催されなくなった要因なのかもしれません。

(写真7:スコアボード)
 収容人員は16064人と、地方球場としてはまずまずのキャパシティーを頬ります。スコアボードは電光掲示板となっており、地方球場としてはごくごく一般的といったところでしょう。先述のとおり、この球場は照明塔も6基備えており、ナイターにも十分に対応しています。

 相模原市は2010年に政令指定都市に移行しました。これで神奈川県では、横浜市、川崎市に次いで、日本の都道保険では唯一となる3番目の政令指定都市となったのです。これもあって、かつては神奈川県立の球場でしたが、相模原市立の球場へと変わりました。近年はプロ野球の1軍公式戦からは遠ざかっている球場ですが、かつては華やかな時代もあり、今でもアマチュア野球の舞台となっていた…まだ歴史はけして長くはありませんが、その風格を感じる球場でした。