南魚沼市大原運動公園野球場
(ベーマガスタジアム)
(新潟県南魚沼市、場所はこちら

球場データ
開場年 2014年
所在地 新潟県南魚沼市万条新田
収容人員 3000人
両翼 100メートル
中堅 122メートル
照明塔 あり
グラウンド 内野:クレー、外野:人工芝


(写真1:JR上越線石打駅)

 2024年11月8日。

 「さあ、これから球場旅だ!」と意気込んで、朝早い新幹線に乗り込み、一路東京へ。ちょっと埼玉県の大宮に立ち寄りたかったので、寄り道をした後で、上越新幹線に乗り込み、今度は新潟県の越後湯沢駅へと向かいました。私自身、越後湯沢駅で降りるのは、学生の頃に、ガーラ湯沢スキー場にスキーをしに行ったとき以来だな…スキーなんてほとんどしたことがなかったから、転びに行ったようなものだったな…と、懐かしい思い出に浸りながらも、これから行脚しようとしている球場は、ここからさらに在来線に乗り換える必要があります。

 そんなに時間にゆとりもなかったので、とりあえずお土産コーナーやレストランは後に回すとして、在来線のホームへの移動しました。越後湯沢駅からはJR上越線に乗り換えて、1駅…魚野川沿いを走る上越線から見える風景は、いつも見ている光景とはまるで異なり、山々に囲まれ、しかも天気が良かったので、どこかすがすがしささえあるものでした。越後湯沢駅から1駅と言っても、10分足らずといったところでしょうか。降り立った駅は、写真1の石打駅です。

 「石打」といえば、これまた「石打スキー場」が有名で、やはりこの辺りはスキー場のメッカなんですよね。今回の行脚の日は、1月の上旬で、まだ雪は振っていませんでしたが、日頃暮らしている関西と比較すると、やっぱり寒い!なんせ、この石打駅がある南魚沼市は日本でも屈指の豪雪地帯の1つですから、寒さの体感が関西とは違います。


(写真2:内野スタンド)

 さて、今回行脚するのは、新潟県南魚沼市の「大原運動公園野球場」です。

 今回降り立ったJR石打駅からは交通手段がありません。例えば、先述の上越新幹線も止まる越後湯沢駅からであれば、路線バスも出ているようですが、本数は非常に少なく、大原運動公園野球場へのアクセスに適しているというわけではありません。ただ、この石打駅にはタクシー乗り場があり、常時タクシーが待っているというわけではありませんが、タクシー会社の電話番号も掲示しているので、それを利用してみるのも手でしょう。
 
 ただ、実は「大原運動公園野球場」の近辺は、森に囲まれたところも多く、朝方や夕方頃を中心に熊が出没することも、稀にあるとか。今回行脚したのが11月ということもあり、とりあえず、行きはタクシーを利用してみることにしました。石打駅から東へ進み、魚野川を渡り、県道28号線を進んでいくと、大原運動公園野球場の案内板を見ることが出来ます。ちなみに、自家用車で向かう場合は、関越自動車道の塩沢石内インターチェンジから3分ほどで到着します。

 ちなみに私は、帰り道は歩いて石打駅まで戻ってみることにしました。行きでタクシーから様子を見渡してみましたが、時折人通りがあり、農作業をしている方もいたためです。冬を迎えようとしている時期だけあって、結構ドキドキはしましたが、日中ということもあり、無事、石打駅に戻ってくることができました。



(写真3:グラウンド全景)
 写真2は「大原運動公園野球場」の正面玄関です。地方の小さめの球場ではありますが、どことなく、まだ新しい雰囲気が漂います。というのも、開場したのは2014年5月と、実際にまだ新しいのです。正面玄関から中に入り、受付の方に見学の許可をいただき、内野スタンドに入ることが出来ました。

 この日は天気も良く、しかも周囲は山々に囲まれて、自然に満ちあふれた場所です。だからこそ、受付から、内野スタンドのドアを開けた瞬間から、ふわぁっと自然の澄んだ空気が一気に身体をしみわたっていくような感じがします。冬の入り口で、ジャンパーがなければ寒かったこともあり、余計に空気が澄んでいたのかもしれませんね。この日は残念ながら、平日ということもあってか、グラウンドを利用する方もなく、静寂に包まれていました。

(写真4(左):3塁側内野スタンド)
(写真5(右):1塁側内野スタンド)
 そんな「大原運動公園野球場」ですが、2014年にオープンしましたが、翌年からはネーミングライツを取得した「ベースボール・マガジン社」の社名を看板として、「ベーマガスタジアム」という名将に変更となりました。正面玄関の入り口にも、「ベーマガSTUDIUM」というロゴの看板が掲げられています。

 写真4、5はそれぞれ3塁側と1塁側の内野スタンドを撮影したものです。外野席はなく、内野席だけというのも、どこか地方球場感を漂わせます。収容人員は3000人となっており、地方球場としてはやや規模が小さめではありますが、周辺人口から考えると、十分なキャパシティであると言えるかもしれません。また、内野のグランドは土であり、外野は人工芝となっています。照明設備も整っており、ナイターにも対応しています。新しい球場とあって、設備もしっかり整っているといった感じです。

(写真6:スコアボード)
 グラウンドの広さは両翼が100m、センターが122mと十分にプロ仕様の広さを誇っています。また、写真5はスコアボードを撮影したものですが、これは磁気反転式のもので、地方球場ではお馴染みのスコアボードとなっています。つまり、設備やグラウンドの広さを見ても、確かに収容人員は少なめですが、プロが使用してもまったくそん色がないだけの立派なグラウンドをもっています。

 それゆえ、「大原運動公園野球場」が開場した際は、独立リーグのBCリーグがこけら落としとなる試合を行い、その後も同リーグの新潟アルビレックスBCが、定期的に試合を開催するようになりました。その後、このチームは2024年からNPBの2軍専門球団として「オイシックス新潟アルビレックスBC」として、イースタンリーグに参入することとなり、その年もこの球場で試合を開催しました。また、オイシックスだけでなく、イースタンリーグの試合開催の実績もあり、2軍ではありますが、プロ野球も開催できるほどの充実した球場なのです。

 球場内の受付近くでは、ちょっとした展示コーナーもあったり、そしてこの球場の道中には道の駅のようなものもあったりと、何かと楽しい行脚となりました。私はこの球場を行脚した後、電車で越後湯沢駅に戻り、「やっぱり魚沼といえばお米だろう」ということで、駅構内のおにぎり屋で大きな「おにぎり」や、「新潟といえば日本酒だろう」と地元のお酒も買い込み、新幹線へ一杯やりながら新潟へと向かうのでした。