週刊カープ評論版!2024年月間MVP!

3・4月5月6月7月8月9・10月

年間MVP

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年間MVP

年間MVP
1位 床田寛樹投手
(初)
2位 矢野雅哉内野手
3位 小園海斗内野手
年間得票数 年間ポイント数
(1位:5P、2位:3P、3位:1P)
1位 床田寛樹投手
(51票)
床田寛樹投手
(15ポイント)
2位 矢野雅哉内野手
(39票)
矢野雅哉内野手
(12ポイント)
3位 小園海斗内野手
(29票)
大瀬良大地投手
(9P)

 両方でトップとなった床田寛樹投手が今年のカープ年間MVPに決まりました!

 床田投手は今季、3・4月、5月、7月と年間で3度のカープ月間MVPを受賞しました。今季の左のエースとして、シーズンを通して先発ローテーションを守り切った床田投手ですが、8月7日まで実に18試合連続でQSを達成し、9月上旬まで防御率1点台をキープする安定感を見せました。シーズン最終盤の9月に一気に調子を崩してしまいましたが、自己最多タイで、チームの勝ち頭となる11勝をマークし、堂々の年間MVP受賞となりました。打線の援護があれば、もう少し勝ち星を伸ばせたのでしょうが…。来季は勝負どころの9月でもしっかりと勝ち切れる投手に、さらにレベルアップしてほしいと思います。

 2位に入ったのは矢野選手。

 今季は7月に初のカープ月間MVP受賞となるなど、今年の野手の中では最も成長を遂げた選手と言えるでしょう。何と言っても、ショートでの守備は圧巻で、レフトへ抜けそうな深い位置から強肩を活かしてランナーを何度も刺し、また、菊池選手との二遊間コンビは球界トップクラスとされました。また課題の打撃でも粘り強さを発揮し、1打席ではプロ野球最多の22球粘り四球を勝ち取り、また、引っ張りの強い打球も目立つようになりました。攻守両面で大きく成長し、守り勝つためには絶対に欠かせない存在にまで成長しました。

 3位は小園選手。

 総投票数で小園選手、ポイントでは大瀬良投手が3位であり、それぞれ今季、カープ月間MVPを1度受賞しましたが、3位以内に入った回数は小園選手が4回、大瀬良投手が3回と小園選手が上回ったため、3位としました。

 今季はショートのポジションこそ矢野選手の譲る形になりましたが、得点圏打率は.341と無類の勝負強さを見せるとともに、チームの4番に座る機会が最も多く、打線の軸となりました。打線の得点力不足に悩まされ、本来は4番というタイプではないにもかかわらず、勝負強さを買われて担った4番でしたが、慣れない打順でも役割を果たしました。

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9・10月

投手
(計22票)
野手
(計28票)
1位 森翔平投手
(初)
(7票・31.8%)
秋山翔吾外野手
(2023年3・4月以来3度目)
(15票・53.6%)
2位 黒原拓未投手
(5票・22.7%)
矢野雅哉内野手
(6票・21.4%)
3位 該当者なし
(4票・18.2%)
小園海斗内野手
該当者なし

(3票・10.7%)

 首位でスタートを切った9月でしたが、これまで奮闘を続けてきた投手陣が一気に崩れ、得点力不足に悩む打線は相変わらず…月間20敗という球団ワースト記録を作るほどの歴史的大失速で、終わってみれば4位という結果となりました。そんな9・10月のカープ月間MVPは…

 まずは投手部門。

 カープの先発4本柱がことごとく勝てなくなり、投手陣の疲労が目立った9・10月…こういった事情もあって、票数はかなり割れ、しかも該当者なしも20%に迫ろうかというところでした。その中で、打線の援護がなく、勝ち星にはつながらなかったものの、先発の一角として好投を続けた森投手が初のカープ月間MVPを受賞しました。

 森投手は9月14日に1軍に再昇格を果たすと、甲子園球場での阪神戦で6回無失点の好投、そして続く9月23日の中日戦では負け投手にはなったものの、8回1失点でプロ初完投も達成しました。ストレートに加え、多彩な変化球を駆使しながらの投球は、昨年よりも巧みさが増した印象です。今季は床田投手、大瀬良投手、森下投手と主力の先発投手が月間MVPを受賞してきた中で、若手の先発候補の受賞は来季への希望でもあり、嬉しいことですね。来季はぜひ開幕から先発ローテーションに入り、2ケタ勝利を目指してほしいと思います。

 続いて野手部門。

 チームが歴史的大失速に苦しむ中でも、しっかりと結果を残し続けた選手はいました。その中の1人である秋山選手は、9月は打率.318、出塁率も.360と非常に高いアベレージを記録し、1番打者としてチームを引っ張る姿勢を見せ、昨年3・4月以来3度目となる受賞となりました。

 9月のカープは月間20敗とワースト記録を作ってしまいましたが、秋山選手の表情には鬼気迫るものがありました。低迷するチームの中でも、諦めない姿勢、自分のプレーを貫く姿勢を最後の最後まで見せ、その中で結果も残す…カープ3年目となりましたが、もうチームには絶対不可欠な戦力です。そして、こういったプレーや試合への向き合い方などなど、チームにとっては「生きる教科書」でもあるだけに、若手はその背中を見て、どんどん自分に取り入れてほしいものです。

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8月

投手
(計33票)
野手
(計33票)
1位 森下暢仁投手
(2023年6月以来5度目)
(21票・63.6%)
坂倉将吾捕手
(2022年6月以来4度目)
(20票・60.6%)
2位 大瀬良大地投手
(3票・9.1%)
矢野雅哉内野手
(5票・15.2%)
3位 アドゥワ誠投手
T・ハーン投手
(2票・6.1%)
小園海斗内野手
(3票・9.1%)

 8月のカープは出だしから5連勝と波に乗り、15勝9敗1分と大きく勝ち越しに成功し、首位をキープして終えました。そんな8月のカープ月間MVPは…

 まずは投手部門。

 8月は月間で4試合に先発し3勝1敗、防御率1.55という好成績を残した森下投手が他を圧倒し、過半数を上回る得票で昨年の6月以来5度目となるカープ月間MVP受賞となりました。4試合の登板のうち、8月10日の阪神戦では見事な完投勝利を挙げ、また3試合でQSを8達成するなど、先発としての安定感は抜群で、酷暑の夏場を支える存在となりました。

 8月20日の巨人戦では5回3失点という内容ながら、2年ぶりとなる10勝目に到達した森下投手。プロ入り5年目で3度目となる2ケタ勝利となりましたが、11勝目にはなかなか届いてなく、ここから先は森下投手にとって未知の、そして壁があるところ。今年は何とか乗り越えて、キャリアハイを更新するだけの勝ち星を積み重ね、またエースに一歩近づく成長を見せてほしいものです。

 続いて野手部門。

 開幕から打率2割前半と低空飛行を続けていましたが、オールスター戦で放ったセリーグ初のグランドスラムから一気に調子が上向いた坂倉選手。8月は月間打率が.368、4本塁打を放ち、絶好調でした。こちらも森下投手同様に過半数を超える票を集め、2年ぶり4度目となるカープ月間MVP受賞となりました。

 オールスター前まで打率.203に低迷し、長いトンネルから抜け出せずにいた坂倉選手ですが、8月9日の阪神戦では1試合5安打の固め打ちするなど、25試合中9試合で2安打以上のマルチヒットを記録。8月の絶好調を経て、打率は.272に急上昇!坂倉選手の復調が打線につながりを生むことにもつながりました。打線のキーマンの1人だけに、坂倉選手の復調は得点力不足に悩むチームにとっても非常に大きなものとなりました。

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7月

投手
(計29票)
野手
(計36票)
1位 床田寛樹投手
(2024年5月以来8度目)
(12票・41.4%)
矢野雅哉内野手
(初)
(25票・69.4%)
2位 T・ハーン投手
(7票・24.1%)
坂倉将吾捕手
(7票・19.4%)
3位 森浦大輔投手
(4票・13.8%)
小園海斗内野手
(3票・8.3%)

 7月のカープは9勝10敗と負け越しとなりましたが、投手陣の粘りで僅差の試合を多くモノにした月でもありました。そんな5月のカープ月間MVPは…

 まずは投手部門。

 7月は4試合に登板し、チーム最多の3勝をマークした床田投手が、今季3度目、通算8度目の受賞となりました。7月31日のDeNA戦では2年連続となるシーズン10勝目をマークしました。カープに在籍した左腕で、2年連続2ケタ勝利を達成したのは、2018年、2019年と2年連続で11勝を挙げたクリス・ジョンソン投手以来、日本人投手に限定すれば、1986年から6年連続で2ケタ勝利を挙げた川口和久投手までさかのぼります。

 7月に入り、暑さもあいまって、やや疲れの見える投球も目立つようになりました。多くのヒットを浴びる試合もありましたが、それでもしっかり試合を作り、月間で登板した4試合すべてでQSを達成しています。相手からすれば、長打を打つこと、さらに単打であっても1イニングに3本のヒットを集めるのが極めて難しい投手ということでもあるのでしょう。粘りの投球で、押しも押されぬエースとなっています。

 続いて野手部門。

 こちらは矢野選手が得票率が7割に迫る得票数で初受賞となりました。ショートの守備では強肩と守備範囲の広さ、思い切りの良さで、再三にわたりチームを失点の危機から救うプレーを見せています。特に菊池選手との二遊間コンビは、もはや球界最高峰ではないかとされるほど鉄壁です。

 ただ、これまでは「守備の人」というイメージが強かった矢野選手ですが、今季は打撃でも急成長し、すっかりショートのレギュラーに定着しました。7月は月間打率.267ですが、10打点はチームトップ。打線が全体的に初球から積極的に打ちにいくスタイルの選手が多い中、追い込まれても粘れる打撃で、7月の月間出塁率は.343と非常に高いものになっており、「打者・矢野」も相手からすれば、非常に嫌らしい、しぶとい選手という印象を徐々に植え付けていることでしょう。

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6月

投手
(計20票)
野手
(計20票)
1位 大瀬良大地投手
(2022年3・4月以来9度目)
(18票・90.0%)
該当者なし
(7票・35.0%)
2位 九里亜蓮投手
T・ハーン投手
(1票・5.0%)
野間峻祥外野手
(7票・35.0%)
3位 - 会沢翼捕手
(3票・15.0%)

 6月のカープは13勝10敗と勝ち越し、首位に立った状態で終えました。そんな6月のカープ月間MVPは…

 まずは投手部門。

 自身3度目、2022年3・4月以来となるセリーグの月間MVPを受賞した大瀬良投手が、このカープ月間MVPも受賞となりました。こちらも2022年3・4月以来、通算9度目となる受賞です。得票率は90%に及び、投手では2010年3・4月の前田健太投手以来となる90%台到達となりました。

 大瀬良投手の6月は月間としては2勝なのですが、その内容は突出していました。6月7日のロッテ戦では相手打線に1本のヒットも許さず、9回まで投げ抜くノーヒットノーラン達成!129球の熱投で、自身初の快挙を成し遂げました。さらには6月に登板した4試合でトータル29.1イニングを投げて、失点はなんとゼロ、もちろん自責点もゼロで、防御率もゼロと、完璧に相手打線を封じる投球を見せてくれました。

 例年、開幕直後は良いのですが、暑くなるにつれて、バテてしまう傾向が強い大瀬良投手ですが、今季は徐々に調子を上げ、6月終了時点の防御率はなんと0.80!1点台でもすごいのに0点台ですから、もはや異次元の数値です。ストレートとカットボールが主体なのは変わりませんが、内外角を幅広く使い、緩急も織り交ぜる巧みなピッチングな安定感につながっているようです。今季が手術明けということも忘れさせるような見事なピッチング、エース復活を印象付け、頼もしさが蘇ってきました。

 続いて野手部門。

 こちらは残念ながら「該当者なし」となりました。野間選手が「該当者なし」と同数ですが、このカープ月間MVPの選出基準として、「トップの票数が5割未満で「該当者なし」が20%を超えた場合、MVPの選出を行わない」としており、そもそも「該当者なし」がトップなので…

 チームの月間打率は.218と、3・4月、5月と比較しても最低の数値となりました。個人でも6月に18試合に出場した野間選手が.311と3割を超えましたが、目立つのはこのくらいで、打率が1割台に低迷する選手も目立ち、「該当者なし」もやむを得ないところでしょう。こういった結果にも、今季は打線がなかなか機能しない、得点力不足が顕著な上に、そもそもヒットや出塁も少ないという現状が浮き彫りになっているようにも思います。

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5月

投手
(計36票)
野手
(計36票)
1位 床田寛樹投手
(2ヶ月連続7度目)
(28票・77.8%)
小園海斗内野手
(初)
(20票・55.6%)
2位 栗林良吏投手
(3票・8.3%)
末包昇大外野手
(9票・25.0%)
3位 大瀬良大地投手
(2票・5.6%)
矢野雅哉内野手
(3票・8.3%)

 5月のカープは14勝8敗と、大きく勝ち越し、一時は首位に立つほどの躍進ぶりを見せました。そんな5月のカープ月間MVPは…

 まずは投手部門。

 自身2度目となるセリーグの月間MVPを受賞した床田投手が、このカープ月間MVPも受賞となりました。この流れは当然といえば当然ですが…床田投手は3・4月に続いて、2ヶ月連続の受賞となりました。

 開幕から床田投手の安定感は際立っています。それがここまでチームトップの7勝、しかも防御率も1点台前半という数字にも表れていますが、5月は登板した4試合をすべて7回以上を投げ、0〜1失点に抑え、勝利を手にしました。特に、阪神戦となれば毎回のように対戦がある村上投手との投げ合いも2度制しました。セリーグ月間MVPでも、月間4勝1敗で、ノーヒットノーランも達成した巨人・戸郷投手や、カープでも島内投手、栗林投手も候補に挙がっていたようです。しかし、それでもMVP受賞となったのは、4戦4勝で負けなかったことに尽きるのではないでしょうか。6連戦の初戦に登板することが多い中で、勝利でスタート出来たという価値も、チームにとって非常に大きなものがありました。

 続いて野手部門。

 こちらも自身初のセリーグ月間MVPに輝いた小園選手が、カープ月間MVPも受賞となりました。意外にもこちらも初受賞となります。

 なかなか打線の軸が定まらない中で、5月7日、小園選手は初の4番に座りました。4番という重責がかかるところですが、それでも無類の勝負強さを発揮し、打てばヒットになる、打球が飛べば絶妙なところに落ちる…神がかっているかのような打撃を見せ、一時は得点圏打率が5割に迫り、「得点圏の鬼」とまで呼ばれるほどの活躍ぶりでした。

 ちなみに野手の2位は末包選手でした。末包選手が1軍に昇格してからというもの、打線に一気に迫力や軸が出てきたように感じます。小園選手が打てば、末包選手も打つという試合も多く、この2人の呼応感が、チームの得点力を高めました。これからもこの2選手には、打線の軸としての期待がかかるとともに、軸が出来れば、打線全体の骨格も見えてくるように思います。

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3・4月

投手
(計26票)
野手
(計26票)
1位 床田寛樹投手
(2023年3・4月以来6度目)
(11票・42.3%)
野間峻祥外野手
(2018年5月以来2度目)
宇草孔基外野手
(初)
(11票・42.3%)
2位 アドゥワ誠投手
(7票・26.9%)
該当者なし
(3票・11.5%)
3位 塹江敦哉投手
(4票・15.4%)
菊池涼介内野手
(1票・3.8%)

 3・4月のカープは10勝11敗3分と、負け越しとなってしまいました。投手陣は踏ん張っているのですが、打線の得点力不足は顕著で、24試合のうち、実に7試合が0点で試合を終えるほど。そんな3・4月のカープ月間MVP。

 まずは投手部門。

 月間2勝を挙げただけでなく、登板した5試合すべてでQSを達成し、防御率も1.54と抜群の安定感を見せた床田投手が、昨年の3・4月以来、1年ぶりの受賞となりました。これで通算6度目の受賞となります。床田投手は開幕直後、打線の援護に恵まれず、今季初勝利を挙げたのは3度目の登板となった4月16日のDeNA戦でした。抜群のコントロールと多彩な変化球を駆使したピッチングは圧巻そのもので、今やチームのエースと言っても過言ではないほど、勝ちを計算できる投手となっており、チームの先発陣の柱としてシーズンを通した活躍が期待されます。

 ただ、5試合すべてでQSを達成し、防御率も1点台…これだけの投球をしているにもかかわらず、3・4月は2勝2敗…せっかくの好投も勝ちに結び付けられなければ、もったいないだけに終わってしまいます。床田投手の力投を最大限に活かせるよう、打線にも1点でも多く援護してあげてほしいものです。

 続いて野手部門。

 こちらは野間選手と宇草選手の2人によるデッドヒートが、締め切り日まで繰り広げられました。その結果、なんとどちらも同じ得票数となり、野手では2020年8月の坂倉選手と松山選手以来、約4年ぶりの2人の同時受賞となりました。

 野間選手は2018年5月以来となる、約6年ぶり2度目の受賞です。今季は長打力のアップを目指すシーズンでしたが、開幕直後からホームランこそないものの、2塁打7本、3塁打2本で、長打率は.443と、その効果が表れています。また得点圏打率も.462と、得点力不足に悩むカープ打線にあって突出した数字を残しました。

 野間選手とは対照的に、一気に1軍の戦力に浮上してきたのが宇草選手であり、初受賞となりました。4月9日に2年ぶりの1軍昇格を果たすと、昇格直後こそなかなか結果が残せなかったものの、4月20日の巨人戦で2年ぶりのアーチをライトスタンドに架けると、4月23日、25日と2試合連続のホームランを放ちました。いずれも高めの球を捉え、ライトスタンドに運ぶ豪快なアーチで、長打力不足に悩むカープ打線にあって、インパクトの大きなホームランを連発しました。月間3本塁打はチームトップとなりました。

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