週刊カープ評論版!2023年月間MVP!

3・4月5月6月7月8月9・10月

年間MVP

▲「週刊カープ評論版!月間MVP!」のメインに戻る


年間MVP

年間MVP
1位 九里亜蓮投手
(初)
2位 島内颯太郎投手
3位 床田寛樹投手
年間得票数 年間ポイント数
(1位:5P、2位:3P、3位:1P)
1位 九里亜蓮投手
(50票)
九里亜蓮投手
(14P)
2位 秋山翔吾外野手
(46票)
島内颯太郎投手
(13P)
3位 島内颯太郎投手
(30票)
床田寛樹投手
西川龍馬外野手
(9P)

 両方でトップとなった九里亜蓮投手が今年のカープ年間MVPに決まりました!

 九里投手は今季、5月にカープ月間MVPを受賞し、6回の投票のうち4回も3位以内に入りました。今季は8勝どまりで、2ケタ勝利には手が届かなかったものの、ビジターで3度の完封勝利を挙げるなど、敵地で7勝をマーク。何よりも開幕から唯一先発ローテーションを守り抜き、また登板間隔や球場に関わらず、しっかり先発としての役割を果たした点で、首脳陣からしても頼もしい存在だったはずです。シーズン通しての活躍が年間MVPにつながったのでしょう。

2位は島内颯太郎投手。

中継ぎ投手の柱の一角として、セットアッパーや時には代役で守護神を務め、自身初のセーブもマークしました。過去4年間は開幕から出遅れたり、シーズン途中で離脱したりといったことを繰り返していましたが、今季は開幕から150キロ台後半のストレートを中心にした攻めのピッチングが冴え渡り、シーズン通して中継ぎの役割を果たしました。その結果、自身最多の62試合に登板し、42ホールドポイントでカープでは史上初の最優秀中継ぎ投手のタイトルも獲得。飛躍の1年となりました。

3位は床田寛樹投手。

3位という順位ですが、成績の観点から見れば、今年のカープのエースは間違いなく床田投手でしょう。自身初の2ケタ勝利、そして勝ち頭となる11勝、防御率も2.19と、シーズン終盤こそ疲れを感じさせる投球も目立ちましたが、試合を作ってくれる、勝ちが計算できるという頼もしい投球を何度も見せてくれました。昨年の年間MVPであり、2年連続とまではいきませんでしたが、先発で、しかも左腕となれば、カープにとって絶対不可欠な存在です。なんだか、「○○だひろき」という名前には、カープのエースになれる素養があるのではとも感じますね。

▲このページのトップに戻る


9・10月

投手
(計30票)
野手
(計29票)
1位 島内颯太郎投手
(2ヶ月連続2回目)
大道温貴投手
(初)
(10票・33.3%)
末包昇大外野手
(初)
(19票・65.5%)
2位 九里亜蓮投手
(8票・26.7%)
小園海斗内野手
(8票・27.6%)
3位 栗林良吏投手
該当者なし
(1票・3.4%)
田村俊介外野手
該当者なし
(1票・3.4%)

 まずは投手部門。

 今回は3投手による大混戦となりましたが、最終的には島内投手と大道投手という、カープの中継ぎを支える2人の右腕がダブル受賞となりました。2人が同数でダブル受賞となったのは、この「カープ月間MVP」のコーナーをスタートした2005年のレイボーン投手と横山竜士投手以来、実に18年ぶりとなります。

  島内投手は先月に続いて2か月連続での受賞、大道投手は初受賞となります。島内投手は9・10月、一時は調子を崩し、登板するたびにピンチを迎え、手痛い失点を献上する場面も目立ちました。それでも新井監督は信頼をして、中継ぎ起用を続け、少しずつ本来のピッチングを取り戻し、最終的にはカープでは球団初となる最優秀中継ぎ投手のタイトルをかくとくするまでになりました。

 また、大道投手も今季は調子の上下動はありましたが、1軍で中継ぎの戦力として台頭し、9・10月は島内投手同様に、疲れもあってか、打たれる場面もありましたが、それでも11試合に登板し、1勝2ホールドをマークしました。島内投手と大道投手のダブル受賞…今年の若手中継ぎ投手の成長を感じさせるものとなりました。

 続いて野手部門。

 投手では大道投手が初受賞となりましたが、野手部門でも末包選手がプロ2年目にして初受賞となりました。こちらは2位・小園選手に大差をつけました。

 末包選手といえばパワーあふれる打撃が魅力で、9月には月間で4本塁打を放ち、8打点を挙げました。2割台前半を推移していた打下率も、終わってみれば.273まで浮上。どうやら打撃に関しては何かをつかんだようで、9月の4本塁打を見ると、パワーで運んだ打球もありましたが、相手のボールに上手く合わせて、バットで拾い、スタンドまで運ぶという技もある一発もありました。右の大砲候補が不足しているチーム事情にあって、末包選手の台頭は、チームの大きな穴を埋め、打線に迫力や威圧感を備えることにつながると思います。カープにとって懸案の課題である部分にフィットしているだけに、今後、さらなる長距離砲としての成長が期待されます。

▲このページのトップに戻る


8月

投手
(計24票)
野手
(計21票)
1位 島内颯太郎投手
(初)
(14票・58.3%)
堂林翔太内野手
(2020年6・7月以来2度目)
(10票・47.6%)
2位 大道温貴投手
(4票・16.7%)
M・デビッドソン内野手
(9票・42.9%)
3位 アドゥワ誠投手
(2票・8.3%)
末包昇大外野手
該当者なし
(1票・4.8%)

 8月は6連敗もありながら、なんとか13勝11敗3分と勝ち越すまでに踏ん張ったカープ。では、そんな8月のカープ月間MVPの結果発表です。

 まずは投手部門。

 月間で11ホールドをマークし、13度の登板で失点を喫したのは1度のみという島内投手が、2位以下を大きく突き放しての初受賞となりました。

 150キロ台後半の伸びのあるストレートとチェンジアップを織り交ぜた緩急を付けたピッチングで、今や中継ぎには欠かせない戦力となっている島内投手。夏場にきて、ややピンチを招く場面も目立つようになりましたが、何とかゼロでしのぎ、次の投手にバトンを渡す場面をたびたび見せています。それが月間11ホールドという数字にもつながっているのでしょう。そもそも、持っているポテンシャルの高さは誰もが認めるところであった島内投手。開幕から中継ぎの役割に定着すれば、これだけの力を発揮してくれるだろうという期待は高かった投手ですが、ついに中継ぎとして本格的に開花したシーズンとなりました。

 続いて野手部門。

 こちらは投手部門とは対照的に、堂林選手とデビッドソン選手の一騎打ちとなりました。そんな大接戦を制したのは堂林選手。2020年6・7月以来、3年ぶり2度目の受賞です。

 右のスラッガー不足が懸案の課題であるカープ。しかし、8月は堂林選手が5本塁打、デビッドソン選手が9本塁打、さらに末包選手も5本塁打と、パワーを活かし、得点を奪うシーンも目立ちました。その中で堂林選手は月間13打点と、デビッドソン選手の16打点には及ばなかったものの、月間打率は.371でチームトップの数字を残しました。8月22日のDeNA戦では右に左と2打席連続の2ランを放ち、堂林選手らしい逆方向へ伸びる打球も飛び出すようになりました。堂林選手らしさを随所に感じさせるようになり、厳しい夏の暑さが続く中で、本領を発揮した充実の8月となりました。

▲このページのトップに戻る


7月

投手
(計27票)
野手
(計24票)
1位 矢崎拓也投手
(2022年9・10月以来3度目)
(12票・44.4%)
上本崇司内野手
(2022年9・10月以来3度目)
(12票・50.0%)
2位 床田寛樹投手
(8票・29.6%)
小園海斗内野手
(7票・29.2%)
3位 島内颯太郎投手
(4票・14.8%)
堂林翔太内野手
(3票・12.3%)

 7月のカープ月間MVPは偶然にも、昨年の9・10月とまったく同じラインナップとなりました。しかも、ともに12票を獲得し、ともに3度目の受賞…こういうこともあるんですね。

 まずは投手部門。

 3位までのラインナップを見ていると、7月の投手部門は中継ぎ陣の月と言えそうです。10連勝にしても、僅差の試合をことごとくモノにして、粘りの野球を見せていました。その背景には、中継ぎ陣がしっかりとリードを守り切ったことにあります。

 その中でカープ月間MVPに輝いたのは矢崎投手。昨年の9・10月以来、通算3度目の受賞となりました。7月の矢崎投手は月間で10試合に登板して、7セーブをマークしました。しかも、失点することなく、完ぺきなリリーフを見せてくれました。僅差を逃げ切ることが出来たのは、やはり矢崎投手のピッチングによるところも大きかったと思います。本来、矢崎投手はセットアッパーを期待されていましたが、栗林投手の不振もあり、守護神に回ることになりました。その中で、その役割を見事に果たし続けました。慣れない環境の中で、この夏場の暑さも重なり、8月に入ると調子を崩しましたが、7月の快進撃の立役者の1人であることは間違いありません。

 次に野手部門。

 矢崎投手が守護神の代役を務めた一方で、野手部門のMVPに輝いた上本選手は、西川選手の離脱で急きょ、巡ってきた「4番」の代役を果たしました。なんせ、けして4番タイプではない打者ではありますが、4番を意識することなく自分の持ち味を発揮できるタイプとして、新井監督が4番に起用したのは、これまでの4番の定義を覆す驚きの采配でした。

 そして上本選手はその期待に応えるべく、7月は月間打率が.317、4番としてタイムリーも放つなど、4番の重責を果たしました。上本選手の中で、どの打順でも自分の役割は同じ…と、ブレることがなかったことが、好結果につながったのでしょう。それにしても、守備では二遊間やサードを守ったり、時には外野でスタメン出場したりとユーティリティー性を発揮していますが、いよいよ打者としても、4番まで打つようになるとは…このような存在はチームにとって非常に貴重です。8月に入り、故障で離脱しましたが、やはりその存在感の大きさを感じさせます。

▲このページのトップに戻る


6月

投手
(計40票)
野手
(計33票)
1位 森下暢仁投手
(2020年10・11月以来4度目)
(18票・45.0%)
田中広輔内野手
(2017年8月以来2度目)
(12票・36.4%)
2位 九里亜蓮投手
(10票・25.0%)
西川龍馬外野手
(11票・33.3%)
3位 床田寛樹投手
(5票・12.5%)
坂倉将吾捕手
(9票・27.3%)

 6月のカープは交流戦を粘り強く戦い、勝率5割の7位で切り抜けました。結果的に6月は14勝9敗と一気に貯金を増やしてきた1ヶ月となりました。チーム全体が着実に力を付けている…そんな6月のカープ月間MVPの結果発表です。

 まずは投手部門。

 森下投手、九里投手、床田投手というカープが誇る先発投手陣によるデッドヒートでしたが、森下投手が半数近い得票率で、ルーキーイヤー以来、3年ぶりとなるカープ月間MVPとなりました。

 今季初先発から現在まで10試合の登板すべてでQSを達成している森下投手。もちろん6月も全4試合でQSを達成し、3勝を挙げました。6月3日のソフトバンクとの交流戦では、これまで苦手にしていた相手に7回無失点の好投で、プロ初の交流戦勝利をマークしました。さらに印象深かったのは6月28日のDeNA戦で、同点の場面で打席に立った森下投手がなんとプロ初アーチとなる3ランをレフトスタンドの、しかも上段に運びました。野手顔負けの完璧なアーチで、一気に勝利をたぐり寄せ、二刀流の活躍を見せました。投打にわたるインパクトが強かったことが、3年ぶりのカープ月間MVPにつながったのでしょう。

 次に野手部門。

 こちらは田中選手、西川選手、そして坂倉選手による三つ巴の、カープ月間MVP史上、まれに見るような大混戦でした。その中で、2位にわずか1票差で混戦を制したのは田中選手でした。田中選手は実に7年ぶり、通算2回目のカープ月間MVP受賞です。

 6月は13試合でスタメン出場し、月間打率は.360をマークしました。田中選手がいわゆる「タナキクマル」でリードオフマンを務めていた頃は、出塁率の高さも持ち味で、2017年には最高出塁率のタイトルを獲得しましたが、6月の出塁率は.439のハイアベレージ。田中選手らしさが戻ってきました。今年は動きもよく、打撃でも強烈に引っ張ることも出来、6月は18安打のうち8安打がライト方向で、日本ハムとの交流戦ではエスコンフィールド北海道で、ライトスタンドに3ランも放ちました。7年ぶりのカープ月間MVP、そしてベテランの復活はチームの戦力に厚みをもたらしてくれます。

▲このページのトップに戻る


5月

投手
(計30票)
野手
(計29票)
1位 九里亜蓮投手
(2020年9月以来3度目)
(18票・60.0%)
西川龍馬外野手
(2022年8月以来4度目)
(9票・31.0%)
2位 矢崎拓也投手
(7票・23.3%)
秋山翔吾外野手
(6票・20.7%)
3位 島内颯太郎投手
(2票・6.7%)
菊池涼介内野手
(5票・17.2%)

 5月のカープは4カード連続でのビジターというハードスケジュールもありましたが、それを7勝5敗で勝ち越し、新井監督になって初めての月間勝ち越しを決めた1ヶ月でもありました。苦手だったビジターでも活路を見出してきた5月のカープ月間MVPの結果発表です。

 まずは投手部門。

 九里投手が得票率6割、2位の矢崎投手の11票の差をつけての圧勝となりました。2020年の9月以来となる、実に3年ぶり3度目のカープ月間MVP受賞です。九里投手は5月、チームトップの5試合に先発し、やはりチームトップの3勝をマークしました。特に5月10日、バンテリンドームナゴヤでの中日戦では9回を投げ切っての完封勝利。さらに5月31日のオリックス戦では、昨季の覇者に対して7回1失点の好投で勝利投手となりました。ホーム、ビジターを問わず、そして開幕から唯一先発を守り続ける頼もしき投手…タフな九里投手の存在は、チームにとって貴重な存在です。


 次に野手部門。

 3・4月は秋山選手がぶっちぎりといった感じでしたが、それとは打って変わって、5月はかなりの接戦でした。得票率が10%を超える選手が5人もいた中で、カープ月間MVPとなったのは西川選手!昨年の8月以来、4度目の受賞となりました。西川選手は5月の月間打率が.298、月間ではチームトップとなる3本塁打を放ちました。数字上では突出するものはないものの、3割前後を安定して打ち続ける好不調の波の小ささ、さらには中軸の5番を打ってみたり、また上位の2番を打ってみたりと、オールマイティに、どんな起用法でも役割を全うする、変化への強さも大きな魅力でしょう。

▲このページのトップに戻る


3・4月

投手
(計44票)
野手
(計48票)
1位 床田寛樹投手
(2022年6月以来5度目)
(15票・34.1%)
秋山翔吾外野手
(2022年7月以来2度目)
(40票・83.3%)
2位 九里亜蓮投手
(14票・31.8%)
菊池涼介内野手
(5票・10.6%)
3位 松本竜也投手
戸根千明投手
(5票・11.4%)
西川龍馬外野手
松山竜平外野手
該当者なし
(1票・2.1%)

 新井新体制となって、新たなスタートを切ったカープ。そのシーズンの始まりは開幕からいきなり4連敗を喫する厳しいものでしたが、その後、すぐに6連勝で巻き返し、4月中旬には目下、セリーグ連覇中のヤクルトを地元・マツダスタジアムで3タテにも成功しました。4月下旬は4カード連続勝ち越しなしと、一進一退ではありますが、終わってみれば12勝12敗と、5割ラインをキープした戦いを見せました。

 そんな3・4月のカープ月間MVP。まずは投手部門。

 今までに最も激しいデッドヒートになったようにも思います。その差はわずか1票…どちらに転んでもおかしくないMVPレースでしたが、床田投手に軍配が上がりました。昨年の6月以来、通算5度目となる受賞です。目下、カープの左のエースでもある床田投手は、3・4月に月間で2勝、登板した4試合のうち3試合でQS(6回3自責点以内)を達成し、月間防御率も1.73と抜群の安定感を見せました。昨季は試合中のアクシデントで離脱を余儀なくされ、プロ初の2ケタ勝利を目前で逃しましたが、その故障からも完全復活し、今季こそ2ケタ勝利へ向けて、好発進の3・4月となりました。

 次に野手部門。

 投手部門とは対照的に、ぶっちぎりの得票数を獲得した秋山選手が、昨年の7月以来、通算2度目のカープ月間MVP受賞となりました。カープでは2年目のシーズンとなり、今季こそは本領を発揮してくれるのではないかという大きな期待感の中でスタートしましたが、いよいよ「稀代のヒットメーカー」にふさわしく、次元の違う打撃技術の高さを随所に発揮し、月間打率は驚異の.404という、ずば抜けた成績を残しました。また秋山選手の誕生日前日である4月15日のヤクルト戦では、1点ビハインドの9回2アウト1塁の場面で、田口投手からレフトスタンドへ運ぶ劇的なサヨナラ2ランも放ちました。カープの3番打者として、走攻守全てにわたってチームを引っ張っる活躍を見せてくれました。

▲このページのトップに戻る