週刊カープ評論版!2022年月間MVP!

3・4月5月6月7月8月9・10月

年間MVP

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年間MVP

年間MVP
1位 床田寛樹投手
(初)
2位 上本崇司内野手
3位 矢崎拓也投手
年間得票数 年間ポイント数
(1位:5P、2位:3P、3位:1P)
1位 上本崇司内野手
(51票)
床田寛樹投手
(14P)

(1位:2回、2位:1回、3位:1回)
2位 床田寛樹投手
(44票)
上本崇司内野手
矢崎拓也投手

(13P)

(1位:2回、2位:1回、3位:0回)
3位 大瀬良大地投手
(32票)
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 2022年のカープ年間MVPは床田投手となりました!

 今年の床田投手はストレートの球威も変化球を低めに集めるコントロールも、さらに時々投げる幻惑のパームも効果的で、今季に関しては「エース」と言っても過言ではないほどの安定感を見せ、2ケタ勝利は間違いないだろうと思っていました。しかし、8月3日のDeNA戦で走塁中に右足首を骨折するアクシデント。これが今季の最終登板となりました。最も安定感があった先発左腕の離脱はチームにとってあまりにも痛いものとなりました。もし、床田投手のアクシデントがなかったら、今季、そしてこのシーズンもまるで違う結果になっていたかもしれません。それほどまでにチームにとって大黒柱くらいの存在感がありました。

 2位は上本選手。

 今年は若手の右打者が思うように台頭しない中で、シーズン序盤から、プロ入り後から長年課題とされてきた打撃で存在感を示し、特に打席で粘って四球をもぎ取るなど、かつてのリーグ3連覇時の打線を思い出させるような泥臭いプレーを見せてくれました。シーズン終盤にはプロ入り10年目で初めてとなるホームランも放ちました。長いシーズンを戦い抜くスタミナには課題があり、バテているような時期もありましたが、今の打撃陣では貴重な右打者としても一気に存在感を示したシーズンでした。

 3位は矢崎投手。

 矢崎投手は佐々岡前監督が投手コーチ時代から目をかけていたようで、最終年となった今季、見事にその素質が開花しました。「カープに残せたものは?」の問いに「何もない」と語った佐々岡前監督ですが、矢崎投手の成長は佐々岡前監督が残した功績の1つだと思います。これまではちょっとした動揺で一気に崩れることが多かった矢崎投手ですが、今年はたとえ四球を出しても動じることなく、自分のボールをしっかり投げ込めていました。それこそが今季の矢崎投手の飛躍につながったのだと思います。

 こうしてみると、床田投手も上本選手も、そして矢崎投手も昨年まではレギュラーにはなかなかなれなかった選手たちです。しかし今季、一気に1軍の戦力として頭角を現し、なくてはならない存在となりました。「佐々岡チルドレン」と言っても過言ではないこの3選手が、今度は新井新監督を支える存在へと飛躍してほしいと思います。

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9・10月

投手
(計26票)
野手
(計23票)
1位 矢崎拓也投手
(2ヶ月連続2度目)
(14票・53.8%)
上本崇司内野手
(2022年3・4月以来2度目)
(13票・56.5%)
2位 松本竜也投手
(5票・19.2%)
西川龍馬外野手
(5票・21.7%)
3位 森浦大輔投手
(4票・15.4%)
該当者なし
(2票・8.7%)

 9・10月のカープはCS3枠目をめぐるし烈な争いの中、勝負どころの最後の4試合で全敗…勝負弱さばかりが引き立ち、チームの本当の力を感じさせられたものとなりました。そんな9・10月のカープ月間MVPの結果発表です。

 まずは投手部門。

 8月度に続いて、矢崎投手が2ヶ月連続の受賞となりました。150キロを超える剛速球にフォークを武器にしたピッチングで、今やすっかり勝利の方程式に加わった矢崎投手。コントロールに苦しむ姿も影を潜め、自分のボールで堂々と勝負できるようになったことが今年の飛躍につながったのでしょう。

 今季のカープも、やはり栗林投手につなぐまでの「勝利の方程式」をなかなか定めることが出来なかった中で、矢崎投手の成長は投手陣を救うものになりました。特にこの9・10月はイニングまたぎもこなしました。2イニングを投げてピシャリと抑えた翌日も、1イニングを3人で抑えたこともあり、タフなところを随所に見せてくれたように思います。

 次に野手部門。

 上本選手が今年の3・4月度以来2度目となる受賞となりました。今季は上本選手にとっては大きな進化の年となりました。好不調の波はありましたが、全体的に打席での粘り強さを見せ、上本選手に出塁がベンチを盛り上げることもしばしば。そんな上本選手は9月10日、神宮球場でのヤクルト戦の3回表で山本大貴投手からレフトスタンドに豪快なプロ初ホームランを放ちました。このイニング、球団最多タイとなる12得点目となる一発であり、プロ10年目にしてようやく飛び出した一発でした。ホームランを放ったときにバットを高く放り投げるシーンも印象的でした。

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8月

投手
(計19票)
野手
(計17票)
1位 矢崎拓也投手
(初)
(10票・52.6%)
西川龍馬外野手
(2019年8月以来3度目)
(5票・29.4%)
2位 森下暢仁投手
(6票・31.6%)
矢野雅哉内野手
(4票・23.5%)
3位 栗林良吏投手
(3票・15.8%)
秋山翔吾外野手
野間峻祥外野手
菊池涼介内野手
(2票・11.8%)

 8月のカープは後半に6連敗を喫するなど、10勝15敗と大きく負け越し。一気に借金が膨れ上がってしまう1ヶ月となりました。まずは投手部門。

 今季、中継ぎとして急成長を見せている矢崎投手が初のカープ月間MVPとなりました。カープ中継ぎ陣の課題は、守護神・栗林投手にどうつないでいくかというところ。その中で、安定感のある投球で時にセットアッパーとして起用され、今では非常に貴重な戦力となっています。佐々岡監督自身、ずっと目をかけていた投手の飛躍…すごく喜んでいることでしょう。

 そんな矢崎投手の8月は8試合に登板して、そのすべてで無失点に抑え、5つのホールドをマーク。そのうち、4度は3人でピシャリと抑える完ぺきなリリーフで、監督の期待に応えるピッチングを見せました。150キロ台のストレート、そして自慢のフォーク…これからもまだ成長できると感じさせるとうしゅです。

 次に野手部門。大接戦となった野手部門。その中で僅差でMVPとなったのが西川選手。カープの主力選手であり、クリーンアップを担っているのですが、カープ月間MVP受賞は意外にも3年ぶりとなります。

 6月上旬に下半身のコンディション不良のために2軍での調整が続いた西川選手が、ようやく1軍再昇格を果たしたのが8月6日のこと。復帰後、いきなり6試合連続でヒットを放ちました。やはり西川選手が打線にいると、迫力が出てくることを実感します。8月は月間打率.318、4本塁打、13打点と、故障から復帰し、ブランクがあったことをまるで感じさせない素晴らしい成績を収めました。

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7月

投手
(計20票)
野手
(計22票)
1位 栗林良吏投手
(2021年10月以来4度目)
(7票・35.0%)
秋山翔吾外野手
(初)
(10票・45.5%)
2位 森下暢仁投手
矢崎拓也投手
(4票・20.0%)
R・マクブルーム内野手
(6票・27.3%)
3位 床田寛樹投手
(2票・10.0%)
長野久義外野手
野間峻祥外野手
(2票・9.1%)

 7月のカープは良かったり悪かったりで、一時は貯金生活を取り戻しながらも、また連敗してすぐさま借金生活に逆戻り…といった感じで、結局11勝11敗の5割…そんな7月のカープ月間MVPはこのような結果となりました。まずは投手部門。

 7月に関しては、突出した成績を残した選手が少なかったがゆえに、票が1人に集中することなく、全体的にばらついたという印象です。その中でカープ月間MVPを受賞したのは守護神・栗林投手。昨年の10月以来、まだ2年目であるにもかかわらず、早くも4度目の受賞となりました。

 栗林投手は7月、6試合の登板にとどまりましたが、その中で5セーブをマーク。そのすべてで無失点に抑えました。中継ぎ陣、とりわけ勝利の方程式がなかなか定まらない中で、9回の守護神がしっかり固定され、役割を十二分に果たしていることは、大きな安心感にもつながっています。

 次に野手部門。

 秋山選手が入団から2か月目にして早くもカープ月間MVPに輝きました。日本球界へのブランク、初めてのセリーグ、広島での生活…様々な不安要素を克服し、卓越した適応力で7月は月間打率が.288、3本塁打、16打点をマーク。ただ成績以上にその存在感、チームに与えた意識の変化と、無形の力を与えてくれています。

 秋山選手の獲得は今のカープにとっては最高の補強をしました。それは今すぐにではなく、徐々にチーム内にその効果が浸透してくるものだと思います。7月は秋山選手、マクブルーム選手といった今季からの戦力が月間MVPの上位を占めましたが、昨年から在籍している選手たち、特に若手選手にはもっと存在感を示してほしいものです。

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6月

投手
(計22票)
野手
(計59票)
1位 床田寛樹投手
(2ヶ月連続以来4度目)
(15票・68.2%)
坂倉将吾捕手
(2021年10月以来3度目)
(14票・51.9%)
2位 森浦大輔投手
(6票・27.3%)
上本崇司内野手
(10票・37.0%)
3位 該当者なし
(1票・4.5%)
該当者なし
(2票・7.4%)

 6月は8勝14敗1分…交流戦は3年連続の最下位となり、レギュラーシーズン再開後も特にヤクルトにはまるで歯が立たず、勝ち星が遠い試合が続きました。そんな6月のカープ月間MVP、まずは投手部門。

 5月に続いて、今月も床田投手が受賞となりました。6月は交流戦終了からレギュラーシーズン再開までのインターバルもあったため、先発の機会は3試合にとどまりましたが、2勝をマーク。しかも、6月7日の楽天戦では7回1失点の好投で、交流戦2勝目。チームとしては苦しんだ交流戦で、床田投手は輝きを増しました。

 もはやチームの先発陣ではエース・大瀬良投手や九里投手、森下投手の3本柱を上回るような安定感を見せており、エース格の雰囲気が漂います。昨季のような調子の波も激しくなく、緩急を自在に操るピッチングに磨きがかかってきました。今季2度目のカープ月間MVPとなれば、今年の投手陣の中心にいるといっても過言ではないでしょう。

 次に野手部門。

 6月の月間打率が.411の上本選手とのし烈なデッドヒートとなりましたが、坂倉選手が4票差で昨年10月以来3度目となるカープ月間MVPとなりました。坂倉選手は交流戦こそ苦しみましたが、レギュラーシーズン再開とともに調子を上げ、6月の月間打率が.370と非常に高いアベレージとなりました。また打撃にキレが出てきたのか、4本塁打、10打点は月間ではチームトップの数字で、打球に伸びが出てきたように思います。マクブルーム選手の後を打つ5番打者として、相手を警戒させる打者に成長してきました。

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5月

投手
(計26票)
野手
(計33票)
1位 床田寛樹投手
(2021年9月以来3度目)
(16票・61.5%)
該当者なし
(7票・21.2%)
2位 森浦大輔投手
D・アンダーソン投手
(3票・11.5%)
R・マクブルーム内野手
(16票・48.5%)
3位 遠藤淳志投手
(2票・7.7%)
堂林翔太内野手
野間峻祥外野手
(4票・12.1%)
※トップの得票率が5割未満で、「該当者なし」が20%を超えた場合、
また、「該当者なし」がトップと同票の場合はMVPの選出を行いません

 5月は11勝12敗1分と、一進一退の末に月間としては負け越しました。そんな5月のカープ月間MVP。まずは投手部門。

 先発ローテーションを任されている6投手でしっかり固定されている状況が続いている5月のカープですが、その中でも月間3勝をマークした床田投手が6割以上の得票率で、ぶっちぎりの月間MVP受賞となりました。自身初のセリーグ月間MVPを受賞した、昨年9月以来3度目の受賞です。

 今季の床田投手の安定感は際立ってますね。低めへのコントロール、球威、タイミングの外し方も良く、1度の登板で数球しか投げないパームも、相手打者をすごく意識させている点で有効になっているように思います。5月31日の日本ハム戦では8回2安打無失点で自身初の交流戦勝利をマークし、いよいよ2019年、自身のシーズン最多である7勝にもあと一歩となりました。

 次に野手部門。

 この月間MVP投票には1つの特例があります。それは1位の得票率が5割以下で、「該当者なし」の得票率が2割を超えた時は、「該当者なし」を優先するというものです。

 リーグ優勝を成し遂げた2016年以降は1度もなかった「該当者なし」。得票率だけを見れば、この5月はマクブルーム選手の初受賞となるところですが、「該当者なし」が2割をわずかに超えたことで、2016年6月以来、実に7年ぶりの特例適用により「該当者なし」となってしまいました…。それくらい、全体的な打線の低迷を感じさせる寂しい5月となりました。マクブルーム選手には次回こそは文句なしのカープ月間MVPとなる活躍、期待しています。

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3・4月

投手
(計46票)
野手
(計59票)
1位 大瀬良大地投手
(2021年7・8月以来8度目)
(32票・69.6%)
上本崇司内野手
(初)
(28票・47.5%)
2位 床田寛樹投手
(11票・23.9%)
西川龍馬外野手
(13票・22.0%)
3位 九里亜蓮投手
森下暢仁投手
黒原拓未投手
(1票・2.2%)
坂倉将吾捕手
(9票・15.3%)

 開幕から6連勝というロケットスタートを見せた今シーズンのカープ。その後は一進一退の状況が続いていますが、3・4月は16勝12敗1分と勝ち越しました。特に先発投手陣が12試合連続でQS(6イニング以上3自責点以内)を達成し、試合を作っていることが、チームに流れを引き寄せているようです。そんな3・4月のカープ月間MVPは…

 まずは投手部門。先発投手陣の奮闘が目立った3・4月に、期間4勝ちをマークし、登板した6試合すべてでQSを達成し、さらには完封勝利も1度挙げた大瀬良投手がぶっちぎりでのカープ月間MVPとなりました。昨年の7月以来、通算で8度目の受賞となります。

 すでに自身2度目となるセリーグの月間MVPにも輝いた大瀬良投手。4年連続の開幕投手を務め、チームの勝利に貢献し、勢いをもたらしてくれました。また、今季からは選手会長も務めており、大瀬良投手がマウンドに立つたびに、よりチームの一体感が高まっているようにも感じます。エースであり、チームの精神的支柱ともなっています。

 次に野手部門。

 上本選手が初のカープ月間MVPとなりました。自身初、「8番・センター」で開幕スタメンを勝ち取ってからは、相手投手に10球以上投げさせる場面もあるなど、しぶとく粘り強い打撃で期間出塁率.386をマークし、下位打線から上位打線への好循環を生み出し、得点力アップにつなげる活躍を見せました。

 また、守備でもセンターで攻守を見せるなど、ハイレベルなユーティリティプレイヤーとして存在感を発揮。そもそもチーム屈指のムードメーカーであるため、上本選手の活躍がチームを元気付けているように感じます。上本選手がいなければ、カープは上位にいなかったでしょうし、得点力不足の解決策を見出せなかったのではないでしょうか。それくらい大きな存在感を放ちました。

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