年間MVP | |
1位 | 栗林良吏投手 (初) |
2位 | 鈴木誠也外野手 |
3位 | 坂倉将吾捕手 |
年間得票数 | 年間ポイント数 (1位:5P、2位:3P、3位:1P) |
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1位 | 栗林良吏投手 (86票) |
栗林良吏投手 (29P) (1位:3回、2位:3回) |
2位 | 鈴木誠也外野手 (50票) |
坂倉将吾捕手 (14P) (1位:1回、2位:3回) |
3位 | 菊池涼介内野手 (35票) |
鈴木誠也外野手 (13P) (1位:2回、2位:1回) |
2021年のカープ年間MVPは、年間得票数&年間ポイント数の両方でルーキー・栗林投手が堂々の受賞となりました。
この年の栗林投手は、ルーキーながら守護神の役割を託され、150キロ台のストレートとキレ味鋭いフォークを中心に、安定感抜群の投球を繰り広げ、開幕から22試合連続無失点という、ルーキーの新記録を樹立しました。シーズン最終戦では20試合連続セーブの記録を達成するとともに、セーブ記録での失敗がゼロという、まさに鉄壁の守護神でした。シーズン37セーブはルーキー最多タイ記録であり、年間の防御率は驚異の0.86。非の打ちどころのない完ぺきなシーズンとなり、大混戦のセリーグ新人王争いを制し、昨年の森下投手に続いて、カープからの新人王誕生となりました。
2位は年間得票数では鈴木誠也選手、年間ポイント数では坂倉将吾選手となりましたが、鈴木選手が年間2度の月間MVPを受賞しており、坂倉選手を上回ったため、鈴木選手とさせていただきました。オフには大リーグへ移籍することになった鈴木選手。この年のシーズン前半は不振に苦しみましたが、夏場以降の7・8月はセリーグの月間MVPを受賞し、9月も月間13本塁打を放ち、2か月連続MVPとなりました。シーズン後半になって、打撃が一気に上向き、チームの得点力は一気に上がりました。4番の存在感を大きく感じるシーズンでもありました。
3位は鈴木選手と争った坂倉選手。10月は1本塁打でしたが、月間打率は.352、出塁率にいたっては.446というハイアベレージとなりました。自身初の規定打席到達を果たし、打率.315で、鈴木選手に次ぐセリーグ2位となりました。一気に飛躍を果たし、徐々にカープ打線の顔、中軸を担う存在となってきました。
投手 (計29票) |
野手 (計37票) |
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1位 | 栗林良吏投手 (2021年5月以来3度目) (13票・44.8%) |
坂倉将吾捕手 (2020年8月以来2度目) (15票・40.5%) |
2位 | 九里亜蓮投手 (9票・31.0%) |
鈴木誠也外野手 (14票・37.8%) |
3位 | 大瀬良大地投手 島内颯太郎投手 (2票・6.9%) |
宇草孔基外野手 (7票・18.9%) |
昨年のシーズン最終盤になって、ようやくエンジンがかかったかのように7連勝を飾ったときもありましたが、今季もようやく10月になって、一気にチームが1つとなったような戦いを見せ、13勝7敗1分と大きく勝ち越すしました。さらに、一時は絶望的だったCS進出の可能性が、3位・巨人の急降下とともに、最後の最後に見せ場を作った月でもありました。そんな10月のカープ月間MVPは…
まずは投手部門。
九里投手とのデッドヒートを経て、カープの守護神・栗林投手が5月以来、早くも3度目となるカープ月間MVPとなりました。シーズン終盤は、栗林投手の疲労を考慮し、さらにルーキーの最多セーブ記録などを目指すために、セーブシチュエーションに限定した起用となっていたこともあり、6月26日、マツダスタジアムでの中日戦以来継続していた連続セーブ記録を20まで伸ばしての、シーズン終了となりました。この記録は目下、プロ野球記録としては2位であり、シーズン37セーブはルーキーの最多セーブ記録に並ぶものとなりました。
そんな栗林投手の10月(11月の1試合も含む)は、もちろん登板した9試合ですべてセーブを記録。最後は失点を喫する場面もありましたが、それでもリードを守り切るピッチングを見せてくれました。無失点で終えるのではなく、勝ち切れるか…守護神の役割を見事に果たし続け、シーズン防御率0点台も死守。見事としか言いようがない、素晴らしい1年だったと思います。
次に野手部門。
こちらは投手部門以上の、4番・鈴木誠選手、5番・坂倉選手、セリーグの首位打者争いを繰り広げた2選手で熾烈なデッドヒートとなりました。その結果、わずか1票差で、坂倉選手が昨年8月以来、2度目のカープ月間MVPとなりました。
10月は本塁打こそ1本に終わりましたが、月間打率は.352、出塁率にいたっては.446というハイアベレージ。10月はカープ打線の調子が上がり、つながりが良くなり、得点力も増した月でしたが、やはりクリーンアップの好調ぶりがその原動力となりました。その中で坂倉選手は長打こそ少なかったものの、粘り強く出塁していく打撃をみせてくれました。
投手 (計31票) |
野手 (計28票) |
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1位 | 床田寛樹投手 (2019年3・4月以来2度目) (22票・71.0%) |
鈴木誠也外野手 (2ヶ月連続8度目) (26票・92.9%) |
2位 | 栗林良吏投手 (6票・19.4%) |
坂倉将吾捕手 (2票・7.1%) |
3位 | 九里亜蓮投手 森浦大輔投手 高橋昂也投手 (1票・3.2%) |
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一時は借金が今季最大の17まで膨らみ、最下位に沈みかけていたカープ。しかし、9月の終わりに今季最長となる6連勝をマークしたことで、月間としては13勝11敗1分と勝ち越しとなりました。ようやく先発ローテーションが6人揃い、安定感が少し出てきました。そんな9月のカープ月間MVP…
まずは投手部門。
自身初のセリーグの月間MVPにも選ばれた床田投手。トミー・ジョン手術から復活し、先発の一角に入り込んだ2019年3・4月以来2度目となるカープ月間MVP受賞となりました。その得票率は7割を超える圧倒的なものでした。
シーズン前半こそ調子が上がらず、投げれば打たれるの繰り返しでしたが、2軍での再調整、そして東出コーチの助言もあり、1軍に再昇格するや、抜群の球威とコントロール、さらにパームがかなり有効的で、月間4試合に先発し、プロ初完封を含む3勝、防御率0.93という素晴らしい成績を残しました。セリーグ月間MVPは月間4勝の中日・松葉投手と争ったようですが、やはり投球イニング数、完封勝利が強いインパクトを与えたようですね。
次に野手部門。
こちらも2ヶ月連続でセリーグ月間MVPを受賞した鈴木誠選手が2ヶ月連続8回目のカープ月間MVPとなりました。月間打率.381、13本塁打はリーグトップ。さらに月間出塁率は驚異の5割、22打点、長打率と出塁率を足したOPSは1.417…どれを取っても素晴らしい成績です。
今回の投票で得票率は92.9%と他を圧倒する数字を叩き出しました。これは、2010年の3・4月にかつてのエース・前田健太投手が記録した94.6パーセントに次ぎ、野手では2014年3・4月のエルドレッド選手の91.9パーセントを上回る野手では最高値、投手を含めても2位の数字となりました。文句なしの成績です。
投手 (計18票) |
野手 (計15票) |
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1位 | 大瀬良大地投手 (2019年5月以来7度目) (7票・38.9%) |
鈴木誠也外野手 (2019年3・4月以来7度目) (10票・66.7%) |
2位 | 栗林良吏投手 (6票・33.3%) |
坂倉将吾捕手 (3票・20.0%) |
3位 | 玉村昇悟投手 (3票・16.7%) |
小園海斗内野手 野間峻祥外野手 (1票・6.7%) |
今年は東京オリンピックにより、プロ野球のシーズンには約1か月のインターバルがありました。長期のインターバルがありながら、7月と8月を一緒にしてMVPを選ぶというのもなかなか難しいものがあります。しかも、7・8月はトータルで14勝12敗1分と勝ち越しはしましたが、チームは下位に沈む状況には変わりなく…そうなると、投票するのも難しくなりますね。
そんな7・8月のカープ月間MVPは、今季の投打のキャプテンがそれぞれ久しぶりの受賞となりました。
まず投手部門。今季は足の故障で一時離脱し、1軍に復帰後も、なかなか調子が上がってこなかった大瀬良投手。しかし、7月6日の横浜DeNA戦で7回2失点の好投を見せ、そこから復調のきっかけをつかんだのか、オリンピックのインターバルが明けても、しっかりと調子を維持し、この期間に登板した5試合すべてでQS(6回3自責点以内)を達成するという安定感とともに、4勝負けなしという結果を残しました。
今季は右ひじの手術明けとは思えないほど、開幕から素晴らしい投球を見せていたものの、今度は足を故障…波の激しいシーズンを送っていましたが、この7・8月の自身4連勝で、エースであり、チームの投手のキャプテンが波に乗ってきたという感じで、2年ぶりとなるカープ月間MVP受賞となりました!
次に野手部門。こちらはセリーグの7・8月の月間MVPを受賞した鈴木誠選手がダントツでカープ月間MVPとなりました。2年ぶり7度目のことですが、セリーグの月間MVPというのは、実は初受賞だったんですね。2016年には「神ってる」活躍を見せ、その後もチームの4番として、5年連続で打率3割以上25本塁打の成績を残しているだけに、セリーグMVP初受賞というのはかなり意外でした。
そんな鈴木誠選手は、7・8月の間に9本塁打をマークし、27打点を挙げていました。今季はどこか勝負弱い、得点圏で打てないというイメージが強かったものの、徐々に挽回し、夏場にきて、主砲のバットが火をふき始めたという感じです。特になかなか1本が出ず苦しんでいた中で、8月26日の巨人戦で2本塁打を放ってからは、監督の「一本出れば変わる」の言葉通り、何かをつかんだのか一気に量産体制になりました。4番が打てば、チームが活気づき、打線に迫力が出てきますね。
投手 (計29票) |
野手 (計35票) |
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1位 | 玉村昇悟投手 (初) (14票・48.3%) |
林晃汰内野手 (初) (20票・57.1%) |
2位 | 栗林良吏投手 (10票・34.5%) |
坂倉将吾捕手 (9票・25.7%) |
3位 | 森下暢仁投手 (5票・17.2%) |
小園海斗内野手 (4票・11.4%) |
カープの6月は6勝16敗3分…1か月だけで借金を10も抱えるという非常に苦しい月となりました。しかも交流戦は18試合でわずか3勝…過去の交流戦での最低勝率の更新は免れたものの、交流戦最少タイの勝利数、そして初の先発投手勝ち星なしという不名誉な記録ばかりでした。
確かに、チーム内に新型コロナの感染拡大があったものの、5月に続いて寂しい1ヶ月となった6月のカープ月間MVP!
まず投手部門。今季、高卒2年目のシーズンを迎えた玉村投手が見事初のカープ月間MVPとなりました。あの、かつてのエース・マエケンこと前田健太投手も、2008年に高卒2年目でのカープ月間MVPとなりましたが、それは9・10月のこと。玉村投手は同じ高卒2年目でも6月…20歳2か月という最年少のカープ月間MVPとなりました。
玉村投手は6月10日の福岡ソフトバンク戦で、王者の打線を6回、被安打3の無失点に抑える素晴らしいピッチングで、プロ色後初のQS(6回3自責点以内)を達成すると、6月18日の横浜DeNA戦で自己最長の7回を投げて2失点に抑える好投で、ついにプロ初勝利を手にしました。これがカープでも約1か月ぶりの先発勝利となりました。苦戦が続いた6月でしたが、3度の登板で2度のQSを達成し、大きな成長を見せた玉村投手。昨季、ウエスタンリーグで1試合のみの登板、しかも1つのアウトも奪えず、6本のヒットを打ちまくられ、どん底のスタートながら、そこから一気に這い上がってきた期待の左腕…これからの成長ぶりが楽しみです。
次に野手部門。3年目の林選手が見事過半数を超える票数を獲得して、玉村投手に続いて、初受賞となりました。チーム内がコロナ禍に見舞われる窮地の中で、1軍で起用されるチャンスをつかみ、積極的にフルスイングする打撃力が、徐々に1軍でも発揮されるようになり、チャンスの場面での勝負強さも発揮し、月間17打点をマーク。チームが危機にある中でチャンスをつかみ、それを見事に活かしました。
鈴木誠選手がワクチン接種に伴う副反応のために離脱した6月22日には、ついに自身初の1軍での4番に座りました。4試合、4番を務めましたが、そこではなかなか結果が残せず…。4番の難しさ、厳しさを肌で痛感したことと思います。ただ、これも今後への貴重な経験となったはずです。チームにとっては長らく本命不在だったサード。しかも、ホットコーナーであるサードをしっかりと守ってくれそうな、ゴールキーパーのような恵まれた体格の、いかにもサードという感じの選手…待望の選手が出てきたという感じです。こちらも、将来が楽しみな選手です。
投手 (計30票) |
野手 (計21票) |
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1位 | 栗林良吏投手 (2ヶ月連続2度目) (17票・56.7%) |
中村奨成捕手 (初) (7票・33.3%) |
2位 | 森下暢仁投手 (11票・36.7%) |
小園海斗内野手 (5票・23.8%) |
3位 | 九里亜蓮投手 森浦大輔投手 (1票・3.3%) |
菊池涼介内野手 松山竜平外野手 (3票・14.3%) |
カープは5月、チーム内での新型コロナウイルス感染拡大に伴い5試合が延期、さらには雨での中止が3試合、しかも4度の引き分け。週に1度しか勝てない苦しい戦いが続き、月間わずか4勝、通算4勝7敗4分という成績に終わりました。そんな寂しい1ヶ月となった5月のカープ月間MVP!
まず野手部門。全体的に「これ!」という決め手に欠けただけに、票がばらけ、また投手部門に比べると票数が少なくなりました。その中で中村奨成選手が7票という票数で初受賞となりました。
5月の中村奨選手といえば、最もインパクトが強かったのは、1軍の主力選手が新型コロナウイルス感染で多くが離脱した19日の巨人戦。九里投手とのバッテリーで1軍では初のマスクをかぶり、完投勝利を演出する懸命のリードを見せ、打っては勝ち越しタイムリーとなるヒットも放ちました。ベンチにいる捕手は白浜選手のみという緊急事態の中で、チームの危機を救いました。
チーム内のコロナ禍で、チャンスをつかんだ中村奨選手。5月9日に1軍登録を抹消され、コロナ禍とともに18日に再昇格を果たし、けして出場機会は多くなかったものの、インパクトと存在感、さらに成長を感じさせました。そんな期待感の高さも月間MVPにつながったのでしょう。
次に投手部門。ドラ1ルーキーで、チームの守護神である栗林良吏投手が2ヶ月連続での月間MVPとなりました!昨年の森下投手に続いて、2年連続でルーキーが、開幕月から2ヶ月連続で受賞するという快挙となりました。
初登板からの無失点記録は5月に入っても継続しました。チームの危機的状況、そして5月は試合数も少ない中で、7試合の登板、セーブシチュエーションはわずかに2度しかありませんでしたが、登板のすべてを無失点で切り抜け、5月4日には、2019年に福岡ソフトバンク・甲斐野央投手が作ったルーキーの開幕からの連続無失点記録13試合を更新し、5月終了時点では19試合まで記録を更新しました。登板機会が少なかったとはいえ、安定感は際だっています。
投手 (計38票) |
野手 (計40票) |
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1位 | 栗林良吏投手 (初) (34票・89.5%) |
菊池涼介内野手 (5年ぶり2度目) (32票・80.0%) |
2位 | 森下暢仁投手 九里亜蓮投手 (2票・5.3%) |
小園海斗内野手 (4票・10.0%) |
3位 | - | 中村奨成捕手 (2票・5.0%) |
大瀬良投手、森下投手、九里投手の3本柱が揃い、好投を続けていた頃は、多少打線が打てなくとも、投手力で勝ち星を拾っていましたが、大瀬良投手が離脱するなど、開幕からの先発ローテーションが崩れ始めると、途端に苦戦が続いた3・4月のカープ月間MVP!
まず野手部門は、5年ぶりにセリーグの月間MVPにも選ばれた菊池涼介選手が、こちらも2016年8月以来、5年ぶり2度目の受賞となりました。しかも、得票率80パーセントという文句なしの結果でした。ちなみに得票率が80パーセントを超えたのは2014年3・4月のエルドレッド選手の91.9パーセント以来、7年ぶりです。
昨年から続けていたセカンドの無失策記録は途切れましたが、卓越したセカンドの守りで何度救われたことか…。さらに今季はセンター中心の打撃で、3・4月の打率は.352、45安打とともにリーグ最多となりました。チームのリードオフマンとしての活躍ぶりは、低迷する打線の中では一際目立つ存在でした。
次に投手部門はドラ1ルーキーで、チームの守護神である栗林良吏投手!ルーキーイヤーの、しかも開幕月に受賞するというのは昨年の森下投手に続いて2年連続のこと。しかも得票率は驚異の89.5パーセント!投手部門では、2010年の3・4月に前田健太投手が94.6パーセントという得票率を記録しましたが、それに次ぐ得票率となりました。
初登板からの無失点記録は今なお更新中の栗林投手は、3・4月、12試合に登板して、すべて無失点に抑え、当然ながら防御率は0.00。8セーブをマークしました。今のチーム状態が良ければ、もっとセーブを積み重ねられたのに…と申し訳なく思うところですが、これだけ安定感のある守護神、もはやルーキーであることを忘れてしまうほどですね。