南九州・沖縄地方の
指名選手リスト（2025年版！）

　南九州地方の５県（熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄）の高校から指名された選手のリストです。なお、表内の「現役」欄は、○：広島に在籍（１２球団の場合は指名球団に在籍）、●他球団に在籍（１２球団の場合は指名球団以外の球団に在籍）、×：引退となっています。

• 熊本県
• 大分県
• 宮崎県
• 鹿児島県
• 沖縄県

熊本県からの指名選手リスト

　熊本県内の高校から指名された選手のリストです。なお高校名は指名当時ものを使用しており、熊本第一工高は現在の開新高です。

☆寸評☆
　広島からは４選手が指名されている熊本県。その中でも特筆すべきは、やはり前田智徳選手でしょう。ただ、もう２０年以上にわたって熊本県下からの指名選手は出ていないのが現状でした。しかし、２０１７年に１９９１年の佐藤貞治投手以来、２６年ぶりに熊本工高・山口翔投手をカープはドラフト２位で指名しました。名門校である熊本工高ではありますが、２００７年の巨人・藤村大介選手以来、１０年ぶりの指名選手誕生でした。

　１２球団で見ると、２００１年以降、指名の選手が徐々に減少傾向にありましたが、２０１０年代に入り、徐々に盛り返してきました。特に２０１９年には育成選手も含めて３選手がプロの指名を受けています。ただ、また指名から遠ざかり、２０２３年に、東海大熊本星翔高の百崎蒼生選手が阪神からの４位指名を受けるまで、４年間、指名選手が出ていませんでした。非常に多くの高校から指名選手を誕生させている野球熱心な県であることでも有名なだけに、注目県であることは間違いありません。

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大分県からの指名選手リスト

　大分県内の高校から指名された選手のリストです。明豊高はかつての別府大付属高です。

☆寸評☆
　カープだけに限れば現在４名です。しかも１９８８年以来、大分県の高校から指名した選手はいなかったのですが、２０１０年、育成ドラフト１位で山野恭介投手が指名されました。実に２２年ぶりのことでした。ただ、広島で２０００本安打を達成した野村謙二郎選手や、広瀬純選手らは大分県の佐伯鶴城高の出身で、また２０００年のドラフトでは大分工高の内川聖一選手（現横浜）、２００９年のドラフトでは今宮健太選手（明豊高）もリストアップされ、指名の検討もされていました。そして、２０１９年のカープのドラ１・森下暢仁投手は明治大出身、２０２３年のドラ１・常広羽也斗投手は青山学院大出身ですが、ともに大分県出身。何かとカープと縁のある県でもあります。

　プロ野球全体でみれば、かつては津久見高、別府鶴見丘高、近年では明豊高、大分商高、柳ヶ浦高なども多くのプロ選手を輩出しています。２０１９年から６年連続で大分県下の高校生が指名されており、毎年のように注目される県です。

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宮崎県からの指名選手リスト

　宮崎県内の高校から指名された選手のリストです。なお、高校名は指名された当時のものを使用しており､宮崎実高は現在の日章学園高です。

☆寸評☆
　カープに着眼をおくと、２０００年の甲斐選手で指名は滞っていたものの、２０１０年に中崎翔太投手を指名したことで、１０年ぶりに宮崎県下の高校生を指名しました。通算で８名となっていますが、その中にはその後打撃コーチとしても活躍した水谷実雄氏や、球団唯一の２００勝投手である北別府学氏といったそうそうたるメンバーが揃っている名選手の宝庫でもあります。中崎投手はドラフト６位という下位指名ではありましたが、カープの守護神として２０１６年からのカープの３連覇に大きく貢献し、３年連続胴上げ投手となりました。ドラフト６位指名ながら、２０１７年オフには１億円プレイヤーとなり、さらに２０１８年には球団３人目となる１００セーブを達成しました。

　そして２０２２年のドラフト５位でオリックスに入団した日高暖己投手は、ＦＡ権を行使してカープからオリックスに移籍した西川龍馬選手の人的補償でカープに入団しました。高卒２年目での移籍となりましたが、「山本由伸２世」と評価されるほど素質豊かな選手。カープの将来のエース候補として期待される存在です。

　プロ野球界でも宮崎県は注目を集めているようで、近年で目立つのはやはり２０１６年のオリックス４位・山本由伸投手でしょう。チームのエースとして、２０２１年シーズンではタイトルを総なめし、２５年ぶりの優勝、そして連覇にも大きく貢献し、２０２４年からはいよいよロサンゼルス・ドジャースでメジャーリーガーへの道を歩み始めました。また、２０１８年の巨人６位の戸郷翔征投手は、２０２０年に新人王を争うまでに急成長を遂げ、２０２２年のＷＢＣにも出場し、巨人のエースとなりました。カープの中崎投手もそうですが、ドラフト下位指名からでも一気に主力選手となるほどの成長を遂げる金の卵が多い土壌として注目されます。

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鹿児島県からの指名選手リスト

　鹿児島県内の高校から指名された選手のリストです。なお、高校名は指名当時のものを使用しており、照国高は現在の鹿児島城西高です。

☆寸評☆
　広島からは９名と他県に比べても多数の指名数を誇っています。１９９１年以降、まったく指名選手が出ていなかったのですが、２０１１年に樟南高の戸田投手をドラフト３位で指名したことで、実に２０年ぶりの鹿児島県下の高校からのカープ指名選手となりました。そしてそれから７年後の２０１８年には、ドラフト７位で神村学園高・羽月隆太郎選手を指名しました。羽月選手は代走の切り札として、試合終盤の重要な局面での貴重な勝負手となっています。

　プロ野球全体で見ても、非常にコンスタントにプロ野球選手を輩出しているという土地柄のようです。かつては強豪・鹿児島実業高や樟南高からの選手が多かったものの、近年は神村学園高からの指名選手が目立つようになり、また、２０２２年には奄美大島の大島高校から大野稼頭央投手がソフトバンクの４位指名、２０２３年には鹿児島城西高の明瀬諒介選手が日本ハムの４位指名を受け、２０１８年から６年連続で指名選手を輩出しています。

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沖縄県からの指名選手リスト

　沖縄県内の高校から指名された選手のリストです。

☆寸評☆
　広島からは過去に２名を指名している沖縄県。最近では２００４年にドラフトを指名をした金城投手がいますが、１５年以上にわたって指名選手は出ていません。しかし、２０２３年、右の大砲候補の獲得を目指していたカープが、沖縄尚学高の仲田侑仁選手をドラフト位で指名しました。実に１９年ぶりとなる沖縄県下の高校からの指名選手となりました。高校生離れした堂々たる体格とパワーの持ち主であり、１年目から１軍デビューでいきなり４番に座り、プロ初安打もマークしました。今後の成長が楽しみな選手です。

　プロ野球全体で見ても少なめの傾向が続いていた沖縄県ですが、近年はプロ野球からの指名が相次いでいます。そんな中で、２０１９年に興南高の左腕・宮城大弥投手がオリックスの１位指名を受け、２年目にはチームの主力として、２５年ぶりの優勝に貢献するほどまでに急成長を遂げています。また、２０１７年の西武４位・平良海馬投手は２０２０年に新人王を受賞し、２０２１年には３９試合連続無失点の記録を打ち立て、現在では先発として活躍を続けています。最近は日本を代表する投手へと成長する選手も目立ち、さらに離島でもプロ野球選手が誕生するなど、注目度を高めている県といえます。

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