週刊カープ評論版!2025年月間MVP!

3・4月5月6月7月8月9・10月

年間MVP

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9・10月

投手
(計50票)
野手
(計50票)
1位 該当者なし
(16票・32.0%)
中村奨成外野手
(初)
(23票・46.0%)
2位 辻大雅投手
(15票・30.0%)
小園海斗内野手
(22票・44.0%)
3位 玉村昇悟投手
(12票・24.0%)
該当者なし
(4票・8.0%)

 カープは9・10月、6勝16敗と、昨年の9月を思い起こさせるような失速ぶり。月の後半には優勝、CSの可能性が消えたことで、一気に若手起用へ舵切りが行われ、勝利よりも育成優先となり、黒星が積み重なりました。結果的に、最下位・ヤクルトとのゲーム差は1まで詰め寄られ、かろうじて5位で終わった…そんな今季を象徴するラスト1か月でした。

 まずは投手部門。

 辻投手、玉村投手が善戦したのですが、「該当者なし」が上回りました。結果的に2015年8月以来、実に10年ぶりとなる「該当者なし」となりました。チームが不調であっても、投手だけは月間MVPが選出されることが多かったのですが、さすがに9・10月に関しては、目立った投手がほとんどいなかったというところです。

 今年は1993年以来、32年ぶりに2ケタ勝利投手が出なかったカープ。打線の得点力不足が非常に大きな要因ではありますが、一方で、それだけシーズン通して安定して勝ちを計算できる投手がいなかったということでもあります。カープの3本柱が年々成績を落とし、タフな九里亜蓮投手が移籍し、その穴を埋めきれなかったことも影響としては大きかったのではないでしょうか。

 続いて野手部門。

 ついに中村奨選手が初受賞となりました。今年、野手の中では最も成長し、一気に1軍の戦力に台頭してきた選手といえる中村奨選手ですが、今季は3・4月で3位、5月で2位、6月は3位、8月は2位と、このカープ月間MVPでも上位の得票数を獲得するのですが、どうしてもトップに立つことが出来ませんでした。

 今月は、最後の最後まで小園選手との抜きつ抜かれつのデッドヒートが続く中、わずか1票の差、しかも23−22という、多くの得票の中での僅差で、中村奨選手が最後は逃げ切りました。9・10月は期間3本塁打を放ち、打率も.309と安定感がありました。まだ完全にレギュラーを掴んだわけではなく、これからがさらなる高みへ向けてのスタートとなりますが、今季の結果を自信に、そしてつねに謙虚な姿勢で貪欲に野球と向き合い、来季は20本塁打…狙ってほしいですね。そうなれば、真のレギュラーの座をつかめるはず。

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8月

投手
(計92票)
野手
(計92票)
1位 高太一投手
(初)
(58票・63.0%)
E・モンテロ内野手
(初)
(39票・42.4%)
2位 床田寛樹投手
(11票・12.0%)
中村奨成外野手
(19票・19.6%)
3位 森浦大輔投手
(9票・9.8%)
小園海斗内野手
(15票・16.3%)

 カープは7月、4勝16敗3分という、勝率だけを見れば、前年9月の歴史的な大失速に並ぶ散々な結果に終わりました。そこから果たして8月はどうなってしまうのだろう…という懸念がありましたが、14勝12敗と2つの勝ち越しを決め、大不振からは抜け出しました。投手陣は酷暑の影響もあってか、月間防御率は3.45と、7月に比べて悪化した反面、打線は月間打率.266、本塁打も20本といずれも今季最高の数字となりました。

 まずは投手部門。

 まるで「すい星のように」現れたような存在の2年目左腕の高投手が初受賞となりました。特に4番手以降の先発陣がなかなか定まらない中で、8月1日の中日戦で今季初の1軍昇格、そしていきなりのプロ初先発のマウンドに上がり、6回を1失点に抑える好投でプロ初勝利を手にすると、そこから翌週には同じ中日を相手に、敵地でありながら7回まで無失点という、初先発よりもさらにレベルアップした投球を見せました。

 その後も、8月21日のDeNA戦では、強力打線を相手に7回まで3安打2失点に抑え、2勝目を挙げると、翌週の巨人戦では6回3失点と、調子はけして良くはなかったものの、しっかり試合を作り3勝目。終わってみれば、8月は4戦3勝負けなし、防御率2.08という素晴らしい数字を残しました。8月8日の中日戦での好投で勝ち星をつかんでいたら…もしかしたらセリーグの月間MVPも狙えたのではないかと思うほどの好成績であり、左のエースとして今後への期待が膨らむ内容でした。

 続いて野手部門。

 モンテロ選手が初受賞となり、今年6月のファビアン選手に続いて、外国人選手の受賞となりました。1シーズンで、外国人選手が2度受賞するのは、2018年の7月、8月と2か月連続での受賞となったフランスア投手以来7年ぶり、また複数の外国人選手が受賞するのは、2016年3・4月のエルドレッド選手、7月のジャクソン投手、8月のジョンソン投手の3人以来9年ぶりとなります。

 モンテロ選手は8月、月間打率は.271とけして目立つものではありませんでしたが、8月19日からは10試合連続安打をマークするなど、安定してヒットを放ちました。また、チームではトップとなる月間6本塁打を放ち、さらには同じくトップの19打点をマークし、持ち前の長打力に加え、勝負強さも発揮し、8月後半は4番に定着しました。まさに8月のチームの打線をけん引し、だいぶ日本の野球にフィットしてきたことを印象付ける1か月となりました。

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7月

投手
(計76票)
野手
(計76票)
1位 森浦大輔投手
(初)
(39票・51.3%)
該当者なし
(25票・32.9%)
2位 該当者なし
(18票・23.7%)
小園海斗内野手
(25票・32.9%)
3位 中崎翔太投手
(7票・9.2%)
羽月隆太郎内野手
(10票・13.2%)

さて、7月のカープは4勝16敗3分という、勝率だけを見れば、昨年9月の歴史的な大失速に並ぶ散々な結果に終わりました。打線は月間のチーム打率が今季では断トツワーストの.221に落ち込み、1試合平均2点程度と得点力も大幅ダウンすると、投手陣は6月に比べ、防御率自体は良化したものの、打線の援護のないことがプレッシャーになってか、さらに早すぎる酷暑の始まりも重なってか、森下投手が4敗、床田投手が3敗と、左右の両輪に勝ち星が付けることができませんでした。

 まずは投手部門。

  森浦投手が初受賞となりました。このカープ月間MVPの選定には、たとえトップの票数を獲得しても、得票率が5割未満でかつ、「該当者なし」の得票率が20%を超えた場合は、「該当者なし」を優先する…という条件を付けています。7月の場合、「該当者なし」の得票数は20%を超えたのですが、トップである森浦投手の得票率がかろうじて50%を超えたため、薄氷を踏む形ではありましたが、見事カープ月間MVPとなりました。

今季は安定した投球を見せている森浦投手ですが、守護神が不安定な状況の中で、7月31日の阪神戦ではプロ初セーブをマークし、暫定ではあるでしょうが、守護神を務めることにもなりました。7月は中継ぎとして1勝、5ホールドもマークし、昨年の続く歴史的大失速の再来の中でも、際立つ安定感を見せました。ポーカーフェイスで、しかもチェンジアップという決め球があるだけに、守護神向きなのかもしれませんね。

 続いて野手部門。

 7月の大敗の大きな要因となった打線…それだけに、小園選手が選手の中ではトップの得票数にはなりましたが、「該当者なし」と票数と並んだため、「該当者なし」という結果になりました。7月の打線の惨状を考えると、それも致し方のないところでしょう。「該当者なし」となったのは、2024年6月以来、約1年ぶりのことです。

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6月

投手
(計44票)
野手
(計44票)
1位 中崎翔太投手
(初)
(11票・25.0%)
S・ファビアン外野手
(2ヶ月連続2度目)
(29票・65.9%)
2位 佐藤柳之介投手
(8票・18.2%)
大盛穂外野手
(7票・15.9%)
3位 床田寛樹投手
森浦大輔投手
(7票・15.9%)
小園海斗内野手
中村奨成外野手

(3票・6.8%)

 6月のカープは交流戦を9勝9敗のイーブンで乗り切り、セリーグではトップの成績となり、月間でも11勝11敗の5割で乗り切りました。交流戦では12球団トップのチーム打率を記録した一方で、投手陣の月間防御率は3.78と、大量失点や大逆転負けを喫する試合もあり、かなり並みの激しい1ヶ月でもありました。

 まずは投手部門。

 中崎投手が初受賞となりました。2015年から守護神を務め、リーグ3連覇にも大きく貢献した中崎投手ですが、その間もカープ月間MVPには手が届かず、2位に終わったこともしばしば…その当時の強固な中継ぎ陣を彩った一岡竜司投手や今村猛投手が受賞したことを考えると、中崎投手の初受賞というのはちょっと意外な気もしますね。

 中崎投手は6月、9試合に登板し、8.1イニングを投げて、防御率は0.00と、ベテランらしい投球を随所に見せてくれました。ストレートも150キロに迫るような球威を取り戻し、ストレートとスライダーのコンビネーションに加え、近年は再びフォークを投げるようになったことで、相手に的を絞らせにくくなり、またベテランとして投球術がワンランク上がったようにも感じます。さらに若手が多いブルペンの精神的支柱としても貴重な存在です。

 続いて野手部門。

 こちらはもはや文句なしでしょう。何と言っても、6月度のセリーグの月間MVPを受賞しましたから。ファビアン選手は6月、月間打率.348、5本塁打、17打点の大活躍を見せました。けしてバンバンホームランを打つわけではないのですが、要所要所でチームを勝利に導く一発を放っており、特に6月18日のソフトバンク戦でのレフトスタンドへのグランドスラムはインパクト絶大でしたね。

 ファビアン選手の活躍により、6月は昨年までのカープに、プラス1点以上の得点をもたらしているように感じます。その得点の上乗せが、交流戦、そして6月をイーブンで乗り切れた要因の1つでもあるのでしょう。外国人選手の2ヶ月連続のカープ月間MVP受賞は2018年の7月、8月のフランスア投手以来7年ぶり、野手では2014年の3・4月、5月のエルドレッド選手以来11年ぶりとなりました。

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5月

投手
(計115票)
野手
(計129票)
1位 床田寛樹投手
(2ヶ月連続10度目)
(97票・87.4%)
S・ファビアン外野手
(初)
(79票・70.5%)
2位 森浦大輔投手
(6票・5.4%)
中村奨成外野手
(11票・9.8%)
3位 該当者なし
(3票・2.7%)
坂倉将吾捕手
(10票・8.9%)

 さて、5月のカープは12勝10敗1分と、今シーズンでは初めてとなる月間勝ち越しを決めました。打線は3・4月に比べると、打線の得点力がやや低下したものの、完封負けは1度のみと、コンスタントに得点を奪えるようにはなってきました。また投手陣も前月とほぼ同じく、月間防御率は2.33と高水準を維持しました。

 まずは投手部門。

 3・4月に続き、5月も床田投手が受賞となりました。今回でついに10回目…これは単独最多となります。しかも得票数は100に届きそうな勢いで、なんと97票まで伸ばし、得票率も90%に迫るほどでした。2位の森浦投手に大差をつけて、他を圧倒しています。

 床田投手の5月は月間で3勝2敗ながら、防御率1.93と好成績を残し、5度の先発でQSを4度達成する安定感を見せました。特に5月3日の中日戦では見事な完封勝利を達成し、チームの連敗を7でストップさせ、「これぞエース」と呼ぶにふさわしい投球を見せました。さらに5月25日のDeNA戦でも完封勝利を達成しており、もはや文句なしのカープ月間MVPです。

 続いて野手部門。

 月間打率.333、3本塁打、13打点はすべてチームトップの数字で、安定感と勝負強さをいかんなく発揮したファビアン選手が、初のカープ月間MVP受賞となりました。近年、外国人野手がなかなか結果を残せないシーズンが続いていた中で、外国人野手のカープ月間MVP受賞は2019年5月のバティスタ選手以来となります。

 ファビアン選手は非常に練習熱心、研究熱心で、それが結果にも表れています。5月に入り、その打撃はどんどん向上し、首位打者を争うレベルにまで達しました。4月30日から5月20日まで17試合連続安打を放ち、5月に限ると、全試合にスタメン出場して、ノーヒットに終わったのはわずか3試合のみ。安定した数字を残し、カープの得点力アップに大きく貢献しています。

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3・4月

投手
(計91票)
野手
(計129票)
1位 床田寛樹投手
(2024年7月以来9度目)
(53票・58.2%)
末包昇大外野手
(2023年9・10月以来2度目)
(63票・46.8%)
2位 森浦大輔投手
(16票・17.6%)
S・ファビアン外野手
(29票・22.5%)
3位 森下暢仁投手
森翔平投手
(8票・8.8%)
中村奨成外野手
(19票・14.7%)

 3・4月は借金が最大で3、貯金は最大で5と、好不調の波が非常に激しい中で、結局イーブンに終わりました。しかし、秋山選手、モンテロ選手が開幕直後に離脱する苦しい状況ながら、若手の台頭もあり、打線の得点力アップの兆しを感じた時期でもありました。そんな3・4月のカープ月間MVPは!

 まずは投手部門。

 3・4月は月間で3勝をマークした投手が森下投手、森投手の2人いましたが、彼らを差し置いて、過半数を超え、2位に30票以上の大差をつけてトップとなったのが床田投手でした。昨年はカープ年間MVPにも輝いた左のエースが、今季もまず最初のカープ月間MVP受賞となりました。そして9回目の受賞となりましたが、その回数は栗原健太選手(現ロッテコーチ)、大瀬良大地投手に並んでトップタイとなりました。

 4月12日の巨人戦では粘りのピッチングで、自身2年ぶりとなる完封勝利を飾ると、そこから3試合、計24イニングで自責点ゼロという抜群の安定感を見せ、月間の防御率も1.18という素晴らしい数字を残しました。また、得意の打撃でも4月26日のDeNA戦では3安打の猛打賞で、打率は一時.462をマーク。投打にわたってインパクトの強い活躍ぶりを見せました。

 続いて野手部門。

 開幕戦にはスタメンにすら入っていなかった末包選手ですが、モンテロ選手の離脱後、なかなか4番が定まらない中で、4月9日の中日戦から4番に座り、勝負強い打撃とパワーを見せつけ、月間4本塁打21打点はともにチームトップの数字を残し、2年ぶりのカープ月間MVP受賞となりました。

 オープン戦では打撃好調だったモンテロ選手が開幕直後に離脱する緊急事態に、末包選手が見事にその穴を埋めるだけでなく、チームが待ち望んでいた和製大砲として、一気に急成長を見せました。月間打率も.286で、月間の得点圏打率は18打数9安打で驚異の5割!長打力もあり、チャンスにも強い…まさに4番のイメージそのままの活躍を見せ、チームの得点力不足改善に向けて、希望を膨らませてくれる存在となっています。

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