カープエキサイティングプレイバック<2006年シーズン版>

▲エキサイティングプレイバックのメインに戻る


6月2日 広   島5−3千葉ロッテ(18時20分・尾道)

TEAM 10 11 12
千葉ロッテ      
広島 ×      
ダグラス 12試合7勝4敗
小林宏 6試合4勝1敗
永川 24試合1勝3敗2S
新井9号(1)、嶋9号(2)
ワトソン1号(2)

 2005年は交流戦で11勝24敗1分と大失速をしてしまった広島。

 今季は交流戦の序盤こそ、まずまずのスタートを切ったのですが、この試合の直前まで4連敗、1勝、3連敗と苦戦が続いており、借金も8まで膨らみあがっていました。そしてこの試合も千葉ロッテに2点を先制され、しかも相手の先発はここまで負けなしの小林宏投手。苦戦は必至の展開でした。

 しかし、直後の3階裏に東出選手の犠飛で1点を返すと、4回には新井選手が見事なアーチを架けました。これがプロ通算150号のメモリアルアーチとなりました。そして5回には嶋選手が2ランホームランをスタンドに放り込み、長打攻勢で一気に逆転。その後は、ダグラス投手、高橋投手が好投し、最後は永川投手が三者三振という見事な火消し。前回の3連戦では3タテを喫した千葉ロッテについに勝利しました!

▲トップに戻る


5月7日 広   島5−3中   日(13時30分・広島)

TEAM 10 11 12
中日      
広島 ×       11
広池 10試合2勝
ドミンゴ 3試合1勝2敗
ベイル 12試合5S
アレックス7号(2)、ウッズ7号(1)

 2006年のカープの名場面といって真っ先に思い浮かぶのは?

 この問いに多くの方が答えるであろう「マーティー、ベース投げ事件」。それこそがまさにこの日でした。3回表1死1塁から荒木選手のショートゴロ。併殺を狙いましたが、1塁が間一髪セーフに。その判定に怒ったロマノ投手が暴言を吐き退場すれば、マーティーは怒り心頭し、1塁ベースを引っこ抜いて外野方向へポイッと放り投げてしまいました。これで退場処分に・・・。この退場劇後、5回に打線が爆発一気に逆転しました。マーティーの気迫がチームに伝わったかのような見事な勝利でした。ちなみに、退場直前、審判の下へ向かう際に、リブジーコーチに次の投手を告げていたそうです。退場覚悟の抗議ながら、冷静な面もみせた采配でしたね。

 ちなみに、このベース投げ事件は、その後、非売品ではあるものの背中に「おれはベースを投げる」、「監督はベースを投げるぞ」と英語で書かれたTシャツを選手や首脳陣が着たというエピソードは有名ですね。また、ファングッズの一つとして人気を得た「ALL−INおじさんの手作り工房シリーズ」でも、ベース投げのオブジェが販売されています。

▲トップに戻る


5月4日 広   島4−0ヤクルト(13時30分・神宮)

TEAM 10 11 12
広島       10
ヤクルト      
佐々岡 5試合3勝1敗
ゴンザレス 2試合1敗
 
新井4号(1)

 開幕投手から、味のある打たせてとる投球を見せていた佐々岡投手が、この日も6回を投げて、被安打はわずかに3、無失点に東京ヤクルト打線を封じ込めました。その後は、1イニングごとの継投で広島が完封リレーを見せました。2005年シーズンは終盤になって、ようやく1勝を挙げた佐々岡投手でしたが、5月上旬でもう3勝目。防御率も1.55という抜群の安定感を見せています。

 さて、この試合が始まる前まで、佐々岡投手は先発投手として99勝を挙げていましたが、この勝利で通算100勝目となりました。一つの区切りとなる、先発100勝です。ここまで、先発、抑えと獅子奮迅の活躍をし、様々な修羅場を潜り抜けてきただけに、この先発100勝の喜びは大きいのではないでしょうか。もしかしたら、先発に専念していたら200勝も十分可能だったのでは・・・と思うと、ちょっと残念な気もしますが。でもチーム事情に応じて、それぞれの持ち場で結果を残した佐々岡投手、絶対不可欠の戦力ですね。

▲トップに戻る


4月27日 広   島7−0巨   人(18時・広島)

TEAM 10 11 12
巨人      
広島 ×       13
黒田 6試合2勝1敗
桑田 3試合1勝1敗
 
前田3号(2)、梵1号(1)

 2006年、新人王を獲得した梵選手。そのきっかけを与えてくれたのが、この試合の2回に飛び出したレフトスタンドへのプロ入り初アーチではなかったでしょうか。この本塁打を機に、梵選手の打撃は一気に上昇カーブを描き、新人王へ向けて一気に加速し始めたのです。

 2回裏、2死ランナーなし。マウンド上はベテランの桑田投手。その初球、133キロの直球はど真ん中に入ってきます。その球をフルスイングした梵選手。打球はレフトスタンドへ突き刺さりました。プロ入り初本塁打。今を振り返れば、梵選手が新人王をつかんだ原点でもありますが、彼本人からすれば、もっと深い意味のある一撃だったのではないでしょうか。

 この本塁打の3日前、梵選手のおじいさんが他界されたそうです。そしてこの試合の日、午前中に広島県三次(みよし)市にある実家の寺院で告別式を行ったそうです。その日の夜、広島市民球場へ戻ってきた梵選手は8番・ショートでスタメンに入り、2回裏に本塁打・・・。まさにおじいさんが天国から打たせてくれた本塁打。そして、梵選手にとってはおじいさんに捧げる一撃となりました。そして、プレゼントはこのアーチ1本だけでなく、新人王という大きな喜びをももたらしました。

▲トップに戻る


4月22日 広   島5−7中   日(13時30分・米子)

TEAM 10 11 12
中日 15
広島
朝倉 3試合1勝
ロマノ 5試合1敗
岩瀬 9試合1敗6S
新井2号(1)、福留6号(1)

 今年のマーティーは驚きを連発してくれました。それはベース投げもそうですが、もう一つ、ファンの心に大きく刻まれたのは・・・。

 12回表にそれは起きました。あれに荒れたこの試合、12回表、7番手のロマノ投手がピリッとせず、1死満塁のピンチを迎えます。そこでマーティーが取った驚きの采配は、センターの福井選手を入れ、その福井選手を二塁手と遊撃手の間に置き、さらに嶋選手を右中間に、廣瀬選手を左中間に置くという離れ業。そう、これはセンターの超前進守備というより、内野手5人体型。外野の飛ぼうものなら、その当たりの場所によっては一気に退寮失点をうんでしまうケース。

 結果は、8番手・広池投手は井端選手をサードゴロに抑え、見事に5人体系は機能したといえるでしょう。イチかバチかの勝負ではありますが・・・。2死となったところで、センターに東出選手を置き、セカンドに福井選手という体制になりました。ただ、この後、倉選手のパスボールで決勝点を失うという意外な結末となってしまいました。

 結果的には敗北となりましたが、今年のマーティー、そしてカープは一味も二味も違うぞ!と感じさせてくれた試合でした。

▲トップに戻る


4月17日 広   島12−3横   浜(18時・広島)

TEAM 10 11 12
横浜      
広島 ×       12 16
ダグラス 4試合2勝2敗
門倉 3試合2敗
 
栗原1号(3)

 1番:緒方選手、2番:前田選手・・・この打線がなかなか機能しない広島。この試合の前日には前田選手をスタメンから外し、休養日を与えたものの、それも実らず・・・。

 そしてついにこの日。前田選手が2番から外れ、定位置の5番に座りました。ここまでチーム打率は2割9厘、そして前田選手の打率は2割1分3厘。打線は開幕からひたすら低空飛行を続けていたのですが、前田選手が5番に座るや、今まで絶不振の打線が、まるでウソのようにみるみる繋がって、2回までに10得点を奪う大爆発!前田選手は5打数2安打すれば、嶋選手と新井選手は3安打猛打賞。特に新井選手は4打点を挙げ、さらに栗原選手は第1打席で今季初本塁打!何から何までが上手く回転するようになった・・・そんな印象を受けました。

 にしても、2番に座ってあれほど打てなかった前田選手が、5番に座ったとたんに2安打。でも実際は、「5番に座っても打てなかったらどうしよう・・・」という不安もあったのではないでしょうか。より一層、結果が求められての5番起用で、一気に不振を脱した前田選手の精神力も素晴らしいものがありますね。

▲トップに戻る


4月12日 広   島4−5巨   人(18時・東京ド)

TEAM 10 11 12
広島      
巨人 ×       11
工藤 2試合2勝
大竹 3試合3敗
豊田 4試合4S
 

 1番・緒方選手、2番・前田選手、3番・新井選手、4番・嶋選手、5番・栗原選手・・・という前年の出塁率を重視した打線は、今までほとんど機能しないまま、打線は完全に低迷したまま・・・。そうして過ぎることこの日が10試合目となり、これまでの9試合で、いまだに3点以上を奪ったゲームがないという不名誉な日本記録まで作ってしまった広島。それでも3勝5敗1分けの成績で乗り切っているのは、広島カープが徐々に変貌を遂げている証拠なのでしょうか。

 そんな広島が10試合目にしてようやく3点目を奪った試合がこの日でした。1死から前田選手と新井選手の長短打で作ったチャンスに、嶋選手がしぶとくセンター前へと運びました。これで前田選手が生還し、やっと思いで1試合で3回目となるホームインとなりました。続いて新井選手のホームを突き、今季最多の4点目を奪いました。「2点打線」と揶揄された広島打線に、これで復活の兆しが差すのではないかと期待された一戦でした。しかし、この新打線が3点以上を奪ったのは13試合のうち、わずか2試合にとどまったのです。

▲トップに戻る


4月9日 広   島2−0ヤクルト(13時30分・広島)

TEAM 10 11 12
ヤクルト      
広島 ×      
佐々岡 1試合1勝
ガトームソン 2試合2敗
ベイル 4試合3S
 

 広島の先発・佐々岡投手は今季初先発となりました。そんな佐々岡投手が6回を被安打1という、かつてのエース時代を思わせるような見事な投球を披露しました。5番手の先発として、開幕から10日たってのようやくの初登板ですが、ベテランの持ち味をしっかりだした今季初勝利となりました。昨年はあれほど苦労したシーズンの1勝を、初登板で早くも達成しました。

 投手陣は佐々岡投手の好投にこたえるかのように、広池投手、長谷川投手、横山投手、そして最後はベイル投手と細かい継投で逃げ切りました。打線は2番に入り、不振に苦しんでいた前田選手に先制点となるタイムリーが飛び出しました。

 この日は見事な完封リレー。そして前日はダグラス投手の快投もあっての最少得点勝利。2試合連続の継投リレーでの完封勝利となりました。2試合連続の完封勝利は1997年9月以来9年ぶりの快挙でした!

▲トップに戻る


4月8日 広   島1−0ヤクルト(14時00分・広島)

TEAM 10 11 12
ヤクルト      
広島 ×      
ダグラス 2試合1勝1敗
藤井 2試合1敗
ベイル 3試合2S
 

 マーティー率いる新生カープが地元・広島に戻ってきて、3試合目にして嬉しい初勝利となりました。しかも、最少得点の1点を、今季から確立した永川投手からベイル投手への勝利の方程式が炸裂しての勝利です。これで、7回を投げて、東京ヤクルト打線をはずか1安打に封じたダグラス投手は来日初勝利となりました。

 にしても、1−0という勝利は痛快ですね。ダグラス投手が快投を見せれば、打線は3回に山崎選手の2塁打を足がかりに、ダグラス投手が犠打で贈って、緒方選手が犠牲フライを打ち上げ、1点を奪いました。その1点を最後まで守り抜いたという試合。その内容は、投手が守り、野手は数少ないチャンスを堅実なプレーでモノにするという、近年のカープにはめったに見られない戦い方で、今後のマーティー野球に大きな期待を集める試合でした。

▲トップに戻る


3月31日 広   島2−0中   日(18時00分・ナゴヤドーム)

TEAM 10 11 12
広島       12
中日      
横山 1試合1勝
岩瀬 1試合1敗
ベイル 1試合1S
 

 マーティー率いる新生カープの新たな船出。そんな開幕戦は昨季、最終戦でようやく初勝利を挙げ、1勝9敗と鬼門になっていたナゴヤドーム。しかし、そんな鬼門なぞ、ALL−INの合言葉の中では通用しないということを見せ付けてくれました。オープン戦から試されていた1番・緒方、2番・前田という出塁率重視の打順が賛否両論を呼びました。

 さて、序盤から広島がチャンスを作りながら、なかなか得点に結びつけることが出来ません。広島は、今季から先発投手は100〜110球制限という大リーグ方式の投手起用を、マーティーは早くから提言していました。そしてその公約は完投王・黒田投手に対しても同じで、6回まで無失点の投球ながら、95球を投げた時点で、すっぱりと交代させました。

 そして9回。廣瀬選手の2塁打でチャンスを作ると、出塁率重視の打順、そう、1番・緒方選手、2番・前田選手が見事なタイムリーを放ち、均衡を破りました。なんせ、打ち崩した投手が、2005年に日本記録のセーブ数を挙げた岩瀬投手だっただけに、その勝利の喜びはひとしおでした。「今年のカープは一味違う!!」、そんな印象を、ファンだけでなく相手チームも、そして選手たちも感じた試合だったのではないでしょうか。

▲トップに戻る