CARP選手名鑑2025<外野手編>

 2025年カープの選手名鑑外野手編です。

秋山 翔吾
Shogo Akiyama
(神奈川県出身・1988年4月16日生まれ・37歳・10年西武1位)
昨シーズン1軍成績138試合4本塁打30打点、打率.289
昨シーズン2軍出場なし
メジャーから日本球界復帰、カープへの電撃入団を経て、昨季で3年契約を終えたが、ついにセリーグでも稀代のヒットメーカーが本領を発揮して、史上10人目となるセパ両リーグでのゴールデングラブ賞を受賞するとともに、リードオフマンとして打線を牽引した。しかし、チームは9月の歴史的大失速で悔しいシーズンとなったが、苦境の中で月間打率が3割を超えたのはさすがだ。昨季の悔しさ、もどかしさは誰よりも感じている。今季はその思いを晴らす。

37 野間 峻祥
Takayoshi Noma
(兵庫県出身・1993年1月28日生まれ・32歳・14年1位)
昨シーズン1軍成績113試合1本塁打28打点、打率.271
昨シーズン2軍出場なし
例年、どこかで故障し、離脱してしまう期間があるが、昨季は7年ぶりの規定打席に到達し、シーズン通して、1軍に帯同した。出塁率.350という粘りの打撃は、早打ちが多いチームの中では貴重な存在だ。しかし、その一方で、シーズン終盤には1試合で2度、捕手からのけん制に刺されるというボーンヘッドもある。人間臭さはあるのだが、緊迫感のある試合の中では勝敗を分けることもある。世代交代が進む中、気を引き締めて、シブい活躍を見せたい。

38 宇草 孔基
Koki Ugusa
(東京都出身・1997年4月17日生まれ・28歳・19年2位)
昨シーズン1軍成績41試合3本塁打27打点、打率.242
昨シーズン2軍成績38試合0本塁打4打点、打率.238
昨季は2年ぶりに1軍昇格を果たすと、4月だけで3本塁打を放つなど、長打力不足のチームの中で、インパクトの強い活躍を見せた。しかし、その勢いは長くは続かず、シーズン中盤には腰痛を発症し、離脱してしまうこととなった。守備に不安はあるが、ツボにはまれば長打力を発揮する打撃は魅力がある。チームは外野のレギュラー争いが激しく、左打ちの打者が過剰であるのは、明らかに逆風だが、今年も序列をひっくり返すつもりで生き残りをかける。

50 中村 健人
Kento Nakamura
(愛知県出身・1997年5月21日生まれ・28歳・21年3位)
昨シーズン1軍成績12試合1本塁打3打点、打率.240
昨シーズン2軍成績76試合2本塁打25打点、打率.278
昨季は2年ぶりに1軍昇格を果たし、同じく2年ぶりの豪快なアーチを放った。やはりパワーのある打撃は大きな魅力ではあるが、打率が1割を割り込むようでは、1軍定着は難しい。大学、社会人を経てのプロ入りだっただけに、今年で28歳と、年齢的にはもう中堅となる。いまだ1軍に定着できないようでは、立場は厳しくなる。広角に鋭い打球を打てる打撃と、チームでは屈指の外野守備を誇るだけに、正念場の今季こそ巻き返したい。

52 末包 昇大
Shota Suekane
(香川県出身・1996年5月27日生まれ・29歳・21年6位)
昨シーズン1軍成績79試合9本塁打37打点、打率.238
昨シーズン2軍成績28試合1本塁打6打点、打率.202
昨季は春季キャンプ前に左ひざの半月板を痛め、シーズン中には左太ももを肉離れし、故障による離脱が目立った。プロ入り後初の4番も経験し、昨季のチームでは希少な存在であった長打力を全面に活かした打撃で、打線に厚みを持たせた時期もあったが、度重なる故障の前に、シーズン最終盤には不振が続いた。レギュラーになるには、故障しない身体を作ることが必至だ。今年で29歳…もう若手という年齢ではないだけにレギュラー取りへラストチャンスだ。

55 松山 竜平
Ryuhei Matsuyama
(鹿児島県出身・1985年9月18日生まれ・40歳・07年大学社会人4巡)
昨シーズン1軍成績65試合1本塁打10打点、打率.178
昨シーズン2軍成績16試合0本塁打8打点、打率.226
「代打の切り札」として頼れる存在であったが、昨季はシーズン通して、切り札にはなれず、幾度となく、その結果にスタンドはため息に包まれてしまった。打率も得点圏打率も1割台では切り札としての信頼は得られないだろう。今年40歳を迎えるチーム最年長ではあるが、このまましぼんでいく姿は見せたくない。今季はもう一度巻き返し、スタジアムに鳴り響く「代打・松山」のコールが希望に包まれ、その結果が歓喜に変わるシーンを数多く演出する。

56 久保 修
Syu Kubo
(大阪府出身・2000年9月29日生まれ・24歳・22年7位)
昨シーズン1軍成績19試合0本塁打0打点、打率.059
昨シーズン2軍成績22試合0本塁打1打点、打率.286
昨季はオープン戦終盤のソフトバンク戦でレフトに豪快なアーチを架け、2年目にしてプロ入り初の開幕1軍の切符を手にし、早々に1軍デビューも果たした。チームに手薄な右打者としても期待されたが、シーズンに入ると、なかなか簡単には打たせてもらえず、また出場機会も限られ、17打数1安打と苦しんだ上に、シーズン中盤には左足を手術し、そのままシーズンを終えた。外野手のレギュラー争いは激しいが、守備力はチーム屈指。アピールしたい。

59 大盛 穂
Minoru Ohmori
(大阪府出身・1996年8月31日生まれ・29歳・18年育成2位)
昨シーズン1軍成績74試合0本塁打4打点、打率.226
昨シーズン2軍成績27試合0本塁打7打点、打率.242
昨季は守備固めや代走を中心に、プロ入り後では自己最多となる74試合に出場し、特に試合終盤の重要な局面で貴重な働きを見せた。しかし、打席数は自己ワーストとなり、役割がいかに限定的だったかを示している。若手への世代交代が進む中、年齢的にも中堅となり、守備固めや代走の役割だけなら若手への切り替えも考えられる。やはり1軍に生き残るためには打撃力を上げていかなくては厳しい。ツボにはまれば長打もある打撃でも存在感を示したい。

60 田村 俊介
Shunsuke Tamura
(京都府出身・2003年8月25日生まれ・22歳・21年4位)
昨シーズン1軍成績37試合0本塁打5打点、打率.198
昨シーズン2軍成績64試合5本塁打24打点、打率.280
昨季は侍ジャパンのメンバーにも抜てきされ、チーム内だけでなく、将来の日本代表としても期待が高まった。その期待は3年目にして初の開幕戦のスタメンにも表れたが、開幕とともに調子を落とし、なかなか期待に応えられないまま、2軍での生活が長くなってしまった。シーズンの最終盤にようやく復調してきたが、レギュラーのチャンスを逃してしまった感は否めない。打撃センスやパワーは誰もが認めるところ。次のチャンスは何が何でもモノにする。

61 サンドロ・ファビアン
Sandro Fabian
(ドミニカ共和国出身・1998年3月6日生まれ・27歳)
昨シーズンメジャー成績3試合0本塁打0打点、打率.000
昨シーズン3A成績116試合17本塁打81打点、打率.270
昨季、自身初のメジャー昇格を果たしたが、ノーヒットに終わった。しかし、3Aでは17本塁打を放っており、スラッとした体型とは裏腹に、鋭いスイングから繰り出されるパワーある打撃が大きな魅力だ。新井監督のコメントからも、評価の高さがうかがえる。右の長距離砲候補ではあるが、今年でまだ27歳という若さから、日本球界に馴染むことができれば、まだまだ成長できるだけの伸びしろは十分にある。チームのポイントゲッターとなる。

96 中村 奨成
Syosei Nakamura
(広島県出身・1999年6月6日生まれ・26歳・17年1位)
昨シーズン1軍成績30試合0本塁打1打点、打率.145
昨シーズン2軍成績74試合8本塁打32打点、打率.278
とにかくプロ野球選手を続けたいと、野球に集中し、結果を残すことだけを考えた昨季、身体も少し大きくなって、ウエスタンリーグでは8本塁打を放ち、たしかにパワーは増してきたように思える。すでに2軍首脳陣からは、ファームでやることはないと、2軍卒業の評価をされているが、1軍に上がるとなかなか結果を残せない。持っている素質は非常に優れたものがあるが、もう8年目だ。契約してもらった恩を成長、活躍という2文字で返したい。

97 中村 貴浩
Takahiro Nakamura
(福岡県出身・2000年4月9日生まれ・25歳・22年育成2位)
昨シーズン1軍成績11試合0本塁打3打点、打率.208
昨シーズン2軍成績80試合0本塁打22打点、打率.264
常にフルスイングをしていく積極性が大きな魅力であり、ルーキーイヤーから支配下登録をつかんだ要因ともなったが、昨季は一転して、ウエスタンリーグでも本塁打ゼロに終わり、持ち味が影を潜めてしまった。どんどん長打を狙いに行く姿勢こそ魅力だが、当てにいくような打撃が目立ったのは寂しいところ。もう一度、本来の自分の持ち味や期待されている部分は何なのかを見つめ直し、積極果敢なスイングで結果を残し、1軍に定着したい。