その時、チームの先陣を切ったのは?
(2021〜2030年)

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2025年:森下暢仁投手(初)

対戦相手 阪神
試合結果 ×0−4
最終順位
シーズン成績 22試合6勝14敗 防御率2.48
前年成績 23試合10勝10敗 防御率2.55

 前年の開幕投手であった九里亜蓮投手がオリックスへFA移籍したこと、さらにチームは世代交代を推し進めていかなければならない状況の中で、新井監督が指名した2025年の開幕投手は森下投手でした。プロ6年目のシーズンであり、エースナンバーの背番号「18」を背負い、将来的にはメジャー挑戦を希望している…こういったことからも、そろそろ開幕投手を務め、「今年のエースだ」と投手陣を引っ張る思いを持ってほしいという新井監督からも思いもあったのかもしれません。いよいよ、森下投手に開幕投手の座が巡ってきました。

 しかし、初めての大舞台、大役…初回、阪神・中野拓夢選手に死球を与え、続く佐藤輝明選手に甘く入った変化球をライトスタンドに運ばれて、いきなり2点を失ってしまいました。その後は、阪神打線を7回まで3安打に抑える力投を見せ、スコアボードにゼロを並べました。しかし、打線は相手のエース・村上頌樹樹投手の前に、まるで得点が奪えず…。開幕戦はエース同士の対戦、なかなか得点を奪うのが難しくなる中で、初回に2点を失ってしまったことは、あまりに痛く、そのままカープは完封負け、初の開幕投手に抜擢された森下投手には黒星が灯る悔しい結果となってしまいました。

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2024年:九里亜蓮投手(初)

対戦相手 DeNA
試合結果 ×3−4
最終順位
シーズン成績 23試合7勝10敗 防御率3.21
前年成績 26試合8勝8敗 防御率2.53

 九里投手は人一倍、先発という役割にこだわりを持ち続けています。2020年に自身初の規定投球回数に到達し、翌2021年には自身初の2ケタ勝利、さらには最多勝のタイトルも獲得しました。先発にこだわり、先発としての箔をつけた九里投手にとって、さらなる高みはといえば、「開幕投手」なのでしょう。これまで5年連続で開幕投手を務めていた大瀬良投手は、前年のシーズン終了後に右ひじを手術した影響もあり、そして春季キャンプから新井監督に猛烈アピールを見せていたこともあり、ついに九里投手に念願の開幕投手の座が巡ってきました。

 しかし、そんな初の開幕投手は九里投手にとっては苦い経験になったかもしれません。DeNAのエース・東投手から3点の援護をもらった直後に、この年の相手のドラ1ルーキー・度会隆輝選手に3ランを浴びてしまい、あっという間に同点に追いつかれました。3点の援護を守り切れなかったどころか、すぐに吐き出してしまった…九里投手はこの年、開幕投手を務めながらも、この年の初勝利は、なんとシーズン8試合目の登板となった5月18日まで手に入れることが出来ませんでした。もし、開幕戦で3点のリードを守り、勝利投手になっていたら、この年の九里投手の成績は、勝ち数と負け数が逆転していたかもしれない…そう思うと、悔しさの残るマウンドでもありました。

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2023年:大瀬良大地投手(5年連続5度目)

対戦相手 ヤクルト
試合結果 ×0−4
最終順位
シーズン成績 23試合6勝11敗 防御率3.61
前年成績 23試合8勝9敗 防御率4.72

 緒方孝市監督の最終シーズンとなった2019年、そして佐々岡真司監督の3年間、さらにこの年からチームの指揮を執ることになった新井貴浩監督と、監督は代われど、変わらなかったのが「開幕投手は大瀬良投手」ということ。5年連続の開幕投手というのは、監督は変わっても、「エース」としての信頼度は不変であることの証明でもあります。カープでは1953年から6年連続の「小さな大エース」長谷川良平投手、そして2003年から大リーグ移籍までの5年連続の黒田博樹投手に次いで、球団史上3人目となりました。

 そんな新井監督1年目の船出となったこの年の開幕戦、神宮球場でのヤクルト戦。前年までセ・リーグを連破している王者に対して、大瀬良投手はいきなり初回、前年三冠王の村上宗隆選手に外角低めの厳しいコースに投げ込みながら左中間スタンドに2ランを浴びてしまうという波乱の立ち上がりとなりました。5回までを投げ、失点はこの2ランにより2点のみ。しかし、打線は相手投手陣の前に得点できず、0−4の完封負けとなりました。

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2022年:大瀬良大地投手(4年連続4度目)

対戦相手 DeNA
試合結果 ○11−3
最終順位
シーズン成績 23試合8勝9敗 防御率4.72
前年成績 23試合10勝5敗 防御率3.07

 いよいよ4年連続の開幕投手となった大瀬良投手。カープで4年連続で開幕投手を務めたのは長谷川良平投手、北別府学投手、黒田博樹投手…球史に名を残した名投手ばかりが名を連ねる中で、大瀬良投手もその一員となりました。前年は打線の援護を受けながらも、終盤に逆転負けのきっかけを作ってしまっただけに、今年こそは開幕戦を勝利で飾りたい…そんな思いはひとしおだったと思います。

 カープはこの年も2回に大瀬良投手自身もタイムリー放つなど3点を先制。6回には味方打線が一挙5点を奪い、リードを7点に広げました。前年以上の打線の援護の中で、大瀬良投手は7回に2点を失い降板したものの、7回途中3失点と試合を作りました。その後も打線の勢いは止まらず、開幕点から11得点を奪う快勝。大瀬良投手が2020年に自身初本塁打を放ったときを思い出すような、投打にわたる活躍を見せ、開幕戦勝利へと導きました。

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2021年:大瀬良大地投手(3年連続3度目)

対戦相手 中日
試合結果 ×6−7
最終順位
シーズン成績 23試合10勝5敗 防御率3.07
前年成績 11試合5勝4敗 防御率4.41

 3年連続での開幕投手となった大瀬良投手。この前年には右ひじを手術したのですが、春季キャンプから手術明けとは思えないほど、球威、キレともに申し分なく、オープン戦でも相手を寄せ付けないほどの素晴らしいピッチング。課題が見つからないほど万全な内容で開幕の日を迎えました。

 開幕戦の相手は中日。カープは初回から西川龍馬選手の2ランで先制すると、2回にも2点を追加。大瀬良投手は7回まで中日打線を3安打に抑える好投を展開。ピンチはありましたが、味方の好守にも守られて、順調にゼロを積み重ねていきました。4点リードの展開に、後はしっかり逃げ切るだけと思われたのですが…

 8回表、四球や連打で1点を失うと、味方のエラーもあり、2点差に詰め寄られた段階で大瀬良投手は降板。その後の1死2・3塁のピンチでマウンドに上がった中継ぎ陣も打たれ、最後はビシエド選手に一発を打たれ、4点リードをあっという間に逆転され、開幕戦であまりに痛恨の逆転負けを喫してしまいました。カープとしては最悪の形でのスタートとなったのです。

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