歴代キャッチフレーズ(2011〜2020年)

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たった今 このAKAの子 舞いたった(2020年)

試合 勝率 順位
120 52 56 12 .481 13.0 5

 球団史上初のリーグ3連覇を達成した緒方監督も、前年の2019年シーズンをもって辞任し、その後任として、球団としては53年ぶりに投手出身監督となった佐々岡真司新監督が就任し、新たな船出となったこの年のカープ。
 佐々岡新監督自身は「一体感」をテーマにチーム作りをしていく方針でしたが、カープのキャッチフレーズは何とも不可解なものであるシリーズに変わりはなく…。もはや、この意味不明。チームはこのキャッチフレーズより、何を感じて1年間プレーしていけば良いのか、率直に感じ取れないものとなりました。それゆえ、このキャッチフレーズが発表された瞬間、スタンドのファンはシーンとなったほど。
 一応、上から読んでも下から読んでも同じという、いわゆる回文。永続的に繰り返すことが出来る回文を、これからもファンとともに戦っていくという意思表示であるとし、10度目のリーグ優勝、4度目の日本一へ舞い立つように…ということだそうで。しかし、結果はシーズン序盤からの悪循環を断ち切れないまま、早々に優勝戦線から離脱してしまったという感じ。回文も「悪循環」になってしまっては…。ただシーズン終盤に7連勝を飾るなどの巻き返しで、この悪循環から脱し、次のキャッチフレーズにつなげることができたのはプラス材料でした。

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水金地火木ドッテンカープ(2019年)

試合 勝率 順位
143 70 70 3 .500 6.5 4

 セリーグ4連覇を目指して臨んだ2019年のシーズン。「タナキクマル」の丸選手が巨人へ移籍し、過去3年とは違い、チームの変革期に入ってきたという印象の1年は、チームにとっては変動の大きなジェットコースターのような1年でした。開幕からの不振で借金を8まで増やしたかと思えば、5月には球団史上最多の月間20勝をマークし、貯金も13までに増やしてみたり…そんな最後の結末は勝率5割、最後の最後で4位に転落。CSまで逃す結果になりました。
 この年のキャッチフレーズは、もはや意味不明なシリーズもここまできたか…という感じ。世代を超えて口ずさんだことがある馴染みのフレーズで、チームは太陽系と同じ家族のような連係をとり、太陽系で1番輝くチームを目指すということらしいのですが、かなりのこじつけですね。
 でも、太陽系の並びの中で最後に「カープ」があること、そして「ドッテン」と転ぶかのような印象を受けるフレーズ…なんか、シーズンもこけて最下位にならなきゃいいけどと不安になりましたが、最後の最後でCSを逃し、ドッテンとこけてしまった。やっぱりね…。キャッチフレーズとは言っても、笑いに走るのではなく、もう少しまじめに考えないと。

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℃℃℃(ドドドォー!!!)(2018年)

試合 勝率 順位
143 82 59 2 .582 -

 3連覇を目指す2018年のキャッチフレーズは、個人的には分かりやすくて良いかな、という感じでした。前年の「カ舞吼!−Kabuku−」と比較すれば、そのフレーズを聞いただけで、「ドドドォー!!!」と3連覇に向かって突き進んでいくんだろうなあという雰囲気が伝わってきましたから。

 カープの「C」とからめて、「℃」を3つ並べることで、3連覇、日本一を目指すという意味とともに、努力や泥臭さ、怒涛の勢い、度胸、同心、胴上げなどなど、「ど」で始まるカープらしさとともに、温度の「℃」から、熱気も含めた意味をこめたそうです。そこから、より一層3連覇を目指すパワーを印象付けたキャッチフレーズとなりました。

 キャッチフレーズはやはり分かりやすい方がいいと思います。一言では意味の伝わりづらいものは、印象に残らず、その目的意識も当然はっきりしないものになります。これでキャッチフレーズの意味を成しません。その点では「ドドドォー」は、子どもでも分かりやすく、目指すものがはっきりしていた…それが球団史上初の3連覇につながったのかもしれませんね。

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カ舞吼!−Kabuku−(2017年)

試合 勝率 順位
143 88 51 4 .633 -

 カープが37年ぶりの連覇を達成した2017年のキャッチフレーズは「カ舞吼!−Kabuku−」。ローマ字で書かれていなければ、果たして何と読むのか、一見しただけでは良くわからないキャッチフレーズです。
 
 「かぶく」とは歌舞伎の語源で、「傾く(かぶく)」に由来しており、他のチームを気にすることなく、自分たちの道を突き進み、カープらしく戦っていくという意味を込めたもので、カープらしく舞い、吼えながら戦うという姿勢も表しているようです。「カープ」の「カ」が含まれているというところでは、やはりこの年も「カープ色」を出したフレーズです。

この年、カープはカープらしい機動力を活かした積極的な野球で、見事に連覇を達成しました。一見すれば、良くわからないキャッチフレーズですが、意味を知れば、CSはカープらしさを出すことが出来なかったものの、シーズンを通してみれば、なるほどこのキャッチフレーズらしいプレーを随所に見せてくれました。それが連覇につながったのでしょう。

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真赤激!Burn it up!(2016年)

試合 勝率 順位
143 89 52 2 .631 -

 赤く、激しく、そして刺激的に…「真っ赤」と「過激」を組み合わせた造語がこの年のキャッチフレーズだったカープ。このフレーズを聞いたとき、「分かりやすいような、分かりにくいような…」という感じで、一抹の不安も感じましたが、チームは見事、真っ赤に過激に、シーズン途中から独走態勢を築き、カープの歴史では過去に例を見ないほどのぶっちぎりで25年ぶりのリーグ優勝を決めてくれました。

 この年、キャッチフレーズのロゴには唐辛子が描かれていました。刺激があり、真っ赤な唐辛子。「辛い」は「つらい」とも読めるだけに、これもまた不安要素でしたが、唐辛子の刺激の方が勝ってくれました。そういえば、この時期、夏場には限定ユニフォームで戦うカードがありますが、ここでも唐辛子をあしらったユニフォーム。個人的には何だか今ひとつなデザインだなと感じましたが、このユニフォームを着て戦った地元の3連戦で3連勝。一気にマジックも減らし、優勝へとまっしぐら。唐辛子効果が随所に現れていたシーズンでした。

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常昇魂 RED RISING(2015年)

試合 勝率 順位
143 69 71 3 .493 14.0 4

 2014年、クリスマスも終わった頃に流れた大ニュース!それは黒田博樹投手の8年ぶりのカープ復帰でした。そして、黒田投手のメジャー挑戦と時を同じくして、FAで阪神へ移籍した新井貴浩選手も、8年ぶりにカープ復帰。しかも今年から緒方孝市新監督が就任。新しい話題が続々と出てきたカープは、いよいよ優勝への機運がどんどん高まっていきました。

 そんな2015年のキャッチフレーズは「常昇魂」。「常勝」と「上昇」を組み合わせた造語で、新監督を迎えて、常勝軍団を築いていこうと言う願いをこめたものです。ロゴには暑く燃える炎に「RED」の文字が赤く浮かび上がります。見る人の心も熱くする…そんなプレーを目指しての1年だったのですが、優勝の機運とは裏腹に、チームは2年ぶりのBクラス転落。これだけ盛り上がっても、機運が高まっても…「上昇」も「常勝」もかなわず、優勝はおろか、Bクラスに終わったことで、どこか途方に暮れた1年でもありました。

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赤道直火 RED ALL THE WAY 赤く、熱く、真直ぐに(2014年)

試合 勝率 順位
144 74 68 2 .521 7.5 3

 野村謙二郎監督最終年となったこの年のキャッチフレーズは「赤道直火」。『王道』ならぬ「赤道」を、まっすぐに火のように突き進んでいき、見る人の心にも火をつけていく…という意味です。英語のフレーズでは「RED ALL THE WAY」、これは最後まで赤で突き進むということだそうです。
 この年のカープは前年のCS初進出の勢いそのままに、2001年以来、実に13年ぶりの貯金をもっての終了となりました。しかし、シーズン最終戦で初のCS本拠地開幕のチャンスを逃してしまい、CSファーストステージでは阪神を相手に2試合戦い、1点しか奪われなかったものの、カープは1点も奪うことができず、悔しい敗退となりました。赤く突き進んだものの、志半ばで終わってしまった…そんな1年でした。

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RALLYING TO ATTACK!剣砥挑来(2013年)

試合 勝率 順位
144 69 72 3 .489 17.0 3

 「捲土重来」という言葉があります。その意味は、一度敗れたり、失敗したりした者が、再び勢いを盛り返して巻き返すこと。その前年は残念ながら4位に終わってしまったカープ。だからこそ、その負けを活かし、今年こそはと勢いを盛り返して巻き返そうと、「捲土重来」をもじって、「剣砥挑来」。剣を砥いで、来るべくシーズンに挑むということで作られた造語が、この年のキャッチフレーズでした。非常に解釈が難しく、一度聞いただけではその真意を図ることはなおさら難しいところですが、それだけ前年の負けを、今年への巻き返しに生かそうということでしょう。

 その結果、カープはついにAクラスに入りました。借金3を抱えてはいましたが、1997年以来16年ぶりのことでした。そして、球団史上初のCS進出で、ファーストステージでは阪神を相手に、甲子園球場で見事連勝。初のファイナルステージへコマを進めましたが3連敗という結果に終わりました。ただ、カープの歴史を考えると、大きな「巻き返し」を見せた年でもありました。まさに「剣砥挑来」の1年でした。
 

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GROUND BREAKERS 破天荒 前人未踏(2012年)

試合 勝率 順位
144 61 71 12 .462 26.5 4

 何かをもじるよりも、ストレートにそのまま引用した方がどこか心に響くもの。個人的には、この「破天荒」というフレーズは好きでした。チームでこういった野球をしていく…その方針がしっかり伝わってきますから。

 「破天荒」という言葉を使ったのは、「今まで誰もなしえなかったことをする」という意味合いで、この年のキャッチフレーズに採用したようです。「GROUND BREAKERS」はそのまま訳せば、『その土地を打ち破る者たち』という感じでしょうか。「新境地を切り拓く」という意味合いをメインに据えて、「破天荒」なプレーで、チーム一丸で未知の領域を切り開いていくということなのでしょう。

 ただ…この当時は毎年思っていたのですが、最初は元気いっぱいで、マエケンがノーヒットノーランをしたりと、まさに「破天荒」な野球を見せてくれるのですが、月日が経つにつれて、どんどんしぼんでしまうという感じでした。「破天荒」になりたいけど、どこか一皮むけられない…そんな1年だったような感じです。

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STRIKIN'BACK 逆襲(2011年)

試合 勝率 順位
144 60 76 8 .441 16.0 5

 「STRIKIN'BACK」というのは、日本語に訳せば「逆襲します」という宣言。ロゴには優勝を目指す力強さを、そしてチームが一丸となって優勝するという意思の統一を宣言するものとなりました。「逆襲」と、Bクラスが続く低迷する状況からの脱却とともに、優勝するんだという熱い思いが伝わるキャッチフレーズです。

 ただ、この年の成績は前年と同じく5位に沈みました。野村政権の2年目も、非常に苦しい戦いが続きました。開幕当初こそは上位に位置づけていたものの、試合を重ねるごとに、順位は下がりました。7月段階で一時はAクラスを争うまでになりましたが、夏場に徐々にAクラスの集団から引き離され、5位という位置に。前年よりも勝率は伸び、首位の差は縮めたものの、「逆襲」と呼ぶにはちょっと寂しかったという印象でした。

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